日本株は大幅反落、米ヘルスケア法案断念で円高進む-全業種安い

更新日時
  • 時間外で米長期金利が一段と低下、為替は4カ月ぶりドル安円高水準
  • 日経平均は終値ベースで2月9日以来の1万9000円割れ

27日の東京株式相場は3営業日ぶりに反落した。トランプ米大統領が掲げた医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の採決中止を受けて米長期金利低下や為替の円高が進み、銀行や保険など金融、鉄鋼や非鉄など素材株中心に全33業種が下げた。

  TOPIXの終値は前週末比19.53ポイント(1.3%)安の1524.39、日経平均株価は276円94銭(1.4%)安の1万8985円59銭。両指数とも2月9日以来の安値となった。

  三菱UFJ国際投信の小西一陽チーフファンドマネジャーは「米下院で通過すると考えられていたオバマケア代替法案が撤回され、米政権の政策運営に不透明感が高まった」と指摘。「過度な米政策期待で日本株が盛り上がるとはもう見込んでいない」と話した。

東証内

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米下院共和党は24日、オバマケアを改廃する法案の採決を断念した。同法の撤廃を公約に掲げていたトランプ大統領とライアン下院議長は、態度を保留していた共和党の保守派や穏健派の説得に失敗、可決に必要な票を確保できなかったため。減税を含めたトランプ政権の財政政策に不透明感が広がり、きょうのドル・円相場は一時1ドル=110円20銭台と、昨年11月以来4カ月ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。24日の日本株の取引終了時点は111円47銭だった。

  フィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長は「ヘルスケア法案を巡り、共和党内の溝が深まってしまった可能性がある」とし、米政権が税制改革に重点方針を転換したとしても、「党内の意見の食い違いを修正できるのかは不透明。トランプ米政権への期待がはく落しただけでなく、市場がこれまで描いてきた青写真の実現が難しくなった」とみる。

  24日の米国株市場はS&P500種株価指数が0.1%安と小幅安。米10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.41%だったが、27日の時間外で一段と低下している。米国株先物も安く、大和証券の佐藤光シニアテクニカルアナリストは「今晩の米国株の下げへの警戒感がある。オバマケア代替法案の撤回に伴う懸念を、24日時点で米国株が織り込んだとは投資家は自信が持てていない」と話した。日経平均ボラティリティー・インデックスは一時20.43と、2月7日以来の高水準となった。

  また、東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは「唯一のサポートだった足元の景気も下向き傾向が出始めている」ことを懸念材料の一つに挙げた。米商務省の24日の発表によると、2月の耐久財受注で先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は0.1%減と、市場予想(0.5%増)に反してマイナスとなった。マークイット・エコノミクスが発表した3月の製造業購買担当者指数(PMI)速報値も53.4に低下し、市場予想の54.8を下回った。

  東証1部33業種では証券・商品先物取引、保険といった金融株の下げが大きく、不動産、非鉄金属、パルプ・紙、鉄鋼、石油・石炭製品も下落率上位。オバマケア代替法案の撤回により「財政出動はさらに実現が厳しくなる可能性もあり、トランプ政権への期待で上昇してきた素材やエネルギー、資本財などの下げにつながった」と、フィリップ証の庵原氏はみていた。東証1部の売買高は17億6293万株、売買代金は2兆312億円。上昇銘柄数は252、下落は1671。

  売買代金上位では、東芝やソフトバンクグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、第一生命ホールディングス、野村ホールディングスが下落。JPモルガン証券が目標株価を下げたファーストリテイリングや大和証券グループ本社も下げた。半面、ダイキン工業やSCREENホールディングスは高い。

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