債券相場は上昇。米国トランプ政権による経済政策をめぐる先行き懸念を背景に株安・円高圧力が強まり、国内債市場では買いが優勢の展開が続いた。

  27日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前営業日比3銭高の150円42銭で取引を開始。午前に150円41銭まで上げ幅を縮める場面もあったが、総じて底堅く推移し、結局8銭高の150円47銭と、この日の高値で引けた。

  しんきん証券債券営業部の高井行夫金融市場アナリストは、「先週からトランプラリーの調整色が強まっており、その辺を映してもう少し強くてもという感あるが、期末を控えて動きづらい」と指摘。「来期に関して売り買い両方の動きが見込まれるが、金利リスクを落とした分の再投資を与信運用ということでは考えなくてはいけない」とし、「外部環境次第だが、金利リスク削減の反動の方が強く出てくると思われる」とみる。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から横ばいの0.06%で寄り付き、その後0.5ベーシスポイント(bp)低い0.055%を付けた。新発20年物160回債利回りは0.5bp高い0.645%で取引を開始した後、午後は0.635%まで買い戻されている。

ヘルスケア法案の採決断念

トランプ米大統領 
トランプ米大統領 
Bloomberg

  米下院共和党は24日、医療保険制度改革法(オバマケア)を改廃する法案の採決を断念した。可決に必要な票を確保できなかったためで、トランプ政権が他の政策課題を実行する能力に疑問符が付く結果となった。

  24日の米株式相場は小幅安。ダウ工業株30種平均は前日比0.3%安の20596.72ドルで終えた。一方、米国債相場は小幅上昇し、米10年債利回りは1bp低下の2.41%程度となった。

  この日の日本株は3営業日ぶりに反落し、日経平均株価は前営業日比1.4%安の1万8985円59銭と、2月9日以来の安値となった。東京外国為替市場では円が主要16通貨に対して全面高。ドル・円相場は1ドル=110円台前半と、昨年11月以来の水準までドル安・円高が進んでいる。

  しんきん証の高井氏は、「米10年債利回りは昨年12月中旬の2.6%台でピークアウト感が生じた後に3月の米利上げで持ち直したものの、足元はとりあえず落ち着いてしまった」と指摘。「米株だけが強さを維持していたが、オバマケア代替法案の撤回でいよいよトランプ相場の巻き戻しをみる動きが強まる可能性がある」としている。

日銀買い入れ額を注視

  日本銀行は23日に3月末のレポ市場での国債需給タイト化への対応策を発表。24日には8年ぶりに国債の買い戻し条件付き売却(国債売現先オペ)を実施した。27日以降も必要に応じて3月末をまたぐ国債売現先オペをオファーする方針だ。特定銘柄の国債を金融機関に貸し出す国債補完供給オペでは、対象先ごとの1回あたりの応募銘柄数の上限を一時的に20銘柄から30銘柄に引き上げ、月内は国庫短期証券の買い入れを取りやめる。

  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「中短期利回りの低下には日銀の買い入れを主因とする需給逼迫(ひっぱく)が強く働き、期末要因が拍車を掛けていた」とし、日銀の対応については「それをある程度緩和するには十分な措置だった」と説明。日銀が31日に発表する当面の長期国債等の買い入れの運営方針については、「短いゾーンの買い入れ減額は十分想定される」と読む。

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