米下院共和党は24日、医療保険制度改革法(オバマケア)を改廃する法案の採決を断念した。可決に必要な票を確保できなかったためで、トランプ政権が他の政策課題を実行する能力に疑問符が付く結果となった。

  オバマケアの撤廃を公約に掲げていたトランプ大統領とライアン下院議長にとって、採決の断念は敗北を意味する。態度を保留していた共和党の保守派や穏健派の説得に失敗した。

  ライアン議長は「取り繕うことはしない。われわれには残念な日だ。だがこれが結末ではない」と記者団に語った。

  トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、可決にはおそらくあと10票足りなかったとし、「オバマケアの混乱が爆発した後に、実に素晴らしいヘルスケア法案が得られるだろう」と話した。

  ライアン議長は共和党の形勢立て直しには少し時間がかかるだろうとし、「今後はアジェンダの残りの法案成立に向けた作業に移る。税制改革を進める」と述べた。

病院関連株が急騰

  採決断念を受け、病院運営を手掛ける企業の株価は大幅高となった。BIノースアメリカ・ホスピタルズ・コンペティティブ・ピア・グループ指数は5.4%高で終了。メディケイド(低所得者向け医療保険)関連業務を中心に手掛けるセンティーンも5.2%高の68.73ドルとなった。

  共和党の法案は、オバマケアの下で拡大されたメディケイドの縮小や補助金の制限で医療保険の予算を大幅に削減することを目指していた。成立すれば、病院や保険会社への打撃となっていた。

  共和党の保守派は、より完全なオバマケア撤廃を求めていた。一方の穏健派は、同党の法案では2026年までに無保険者が2400万人増えるとの試算を議会予算局(CBO)が示したことで及び腰になっていた。

水面下でライアン議長を非難

  オバマケア改廃の失敗は、共和党が上下両院とホワイトハウスを制しても、党の目標の一致が容易でないことを浮き彫りにした。

  トランプ大統領は公にはライアン議長をねぎらい、同議長も大統領の努力に謝意を表明した。しかし政権幹部によると、裏では大統領の側近が法案撤回を巡りライアン氏を非難しているという。

  上院司法委員会のグラスリー委員長(アイオワ州)はツイッターへの投稿で、今回の出来事で得られた教訓の一つは「米国の社会政策の大きな変更は超党派で行わなければならない」ことだと指摘した。

原題:House Obamacare Repeal Collapse Raises Doubts on GOP Agenda(抜粋)

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