【債券週間展望】長期金利低下か、日銀の金利抑制姿勢や政治リスクで

  • まだフラットニングの余地は残っている-SBI証
  • 2年入札、中期国債需要根強く消化に問題ない-岡三証

3月5週(27ー31日)の債券市場では長期金利に低下圧力がかかりやすいと予想されている。米国の株高・債券安をけん引してきたトランプ政権の経済対策をめぐる不透明感の強まりに加えて、日本銀行の金利上昇抑制姿勢が背景にある。

  新発10年物国債346回債利回りは0.065%で連休明け21日の取引を開始した。トランプ政策の行き詰まり懸念を背景とした米長期金利の低下を受けて22日には0.055%と、3週間ぶりの水準まで買われたが、その後は0.065%に戻した。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「海外の展開次第だが、円高・株安が意識されやすいタイミング」とした上で、「原油のダウンサイドリスクが高く、インフレ圧力の後退というシナリオもあり、まだフラットニングの余地は残っている」と指摘。「米国が利上げを急がないトーンの中、日銀はオペ日程公表などで金利の大幅上昇に警戒を強めており、買いやすくはなっている」と話した。

日銀国債買い入れ

日本銀行本店

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  日銀の長期国債買い入れオペは、29日と31日に残存期間「1年超5年以下」と「5年超10年以下」がそれぞれ予定されている。前回オペの買い入れ額は1-3年が3000億円、3-5年が4000億円、5-10年が4500億円だった。

  また、日銀は31日に「当面の長期国債等の買い入れの運営について」を発表する。3月分からは各ゾーンの買い入れ実施日程を明らかにしている。

  SBI証の道家氏は、「4月からいくつかの年限で国債発行が減額になるが、それに合わせて日銀が買い入れを減らしてくるのではないかとの思惑もある」と説明。ただ、「あくまでも発行減に合わせるということで、需給バランスとしてはニュートラルなイメージ」としている。

2年債入札

  財務省は28日に流動性供給入札を実施する。残存期間5年超-15.5年以下の国債が対象で、発行予定額は5000億円程度となる。30日には2年利付国債の入札が予定されている。発行予定額2兆2000億円程度に減額となる。
  
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、2年債入札について、「中期国債には根強い需要が続いており、消化に問題はない」とみる。

市場関係者の見方

*T
◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ
*日米会合前には実施しにくかった償還資金の再投資が超長期ゾーンなどに出てきている割には上値重く、売り手もいるようだ
*円相場が対ドルで110円を突破して上昇すると、市場で根強い日銀による10年債の誘導目標の引き上げ観測に冷水を浴びせる可能性
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.09%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*31日に2月の国内消費者物価指数(CPI)の発表、1月は生鮮食品除く全国CPIが13カ月ぶりに前年比で上昇し今後も上昇基調は続く見込み
*日銀がいずれ10年金利の操作目標引き上げるとの警戒感根強い
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.09%

◎SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト
*年度末まで残り1週間で無理にポジション取る動きも見込みにくい
*サプライズがあるとすれば、27日予定の予算成立後に衆院解散するかどうか
*長期金利の予想レンジは0.04%~0.09%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*日米ともに政治リスクが頭をもたげており、しばらく利回りは上昇しにくい
*投資家は当面、リスク回避の行動に出やすいとみている
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%
*T

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