24日の東京外国為替市場のドル・円相場は反発。米国時間に医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の米下院採決を控える中、米地区連銀総裁発言などを支えに1ドル=111円台半ばまで水準を切り上げた。

  午後3時25分現在のドル・円は前日比0.5%高の111円45銭。朝方に110円86銭まで下げた後、仲値にかけて値を戻し、午後には111円48銭までドル高・円安が進んだ。前日は一時110円63銭と4カ月ぶりのドル安・円高水準を付け、2011年2月25日以来で最長の8営業日続落を記録していた。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのデービッド・ルーディレクター(香港在勤)は、「ドル・円は110円50銭-60銭で実需勢の買いが意識される中、仲値での買いや週末を控えたショートカバーで上昇している感じ」と説明。「レンジも大きくみれば110-115円だが、直近では112-115円から110-113円に下方シフトしたようで、ドルが重い状態は続きそう」と述べた。

  ダラス連銀のカプラン総裁は23日、シカゴでのイベントで、17年に3回利上げの予想中央値は合理的ベースラインと指摘。現在、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和的とした上で、「われわれは段階的に辛抱強く緩和を解除すべきだ。われわれはバランスシートを縮小させる時に近づいている」との見解を示した。

  24日の米国では、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、シカゴ連銀のエバンス総裁、セントルイス連銀のブラード総裁が講演する予定。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「米国のファンダメンタルズは悪くない。FRB高官は年内3回の利上げ見通しに自信を深めている。米利上げ観測が消えてなくなるわけではないため、ドル・円の下値も堅い」と指摘。一方で、「オバマケア代替法案絡みの不透明感と期末の円高観測が重し」と語った。

  米下院で23日中の実施が予定されていたオバマケア代替法案の採決は延期された。米下院共和党指導部はトランプ政権からの圧力を受け、24日に採決を行う方針だ。

  植野氏は、「オバマケア代替法案が議会を通るかどうかに市場の焦点が当たっている。採決が延期されたが、下院を通っても上院を通るかどうか分からない。24日に採決できてもそれで終わらない。修正案を含めて上下両院通過までドル・円の心理的な重しになるだろう」とみる。

  一方、NBCフィナンシャルのルー氏は、「可決の場合のめどは112円が鍵。112円までは戻り売りが重そうだが、回復できれば買いに転じるプレーヤーもいそう」と見込んでいる。

  参院予算委員会は24日、大阪市の学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題を巡り集中審議を実施。安倍晋三首相は、同学園の籠池泰典理事長による国会での証言内容は事実と反する内容があり、極めて遺憾との認識を示した。籠池理事長は23日の証人喚問で、安倍昭恵首相夫人から100万円の寄付を受け取ったと発言していた。

  三菱UFJモルガン証の植野氏は、「安倍政権の基盤が揺らぐような騒動にはなっていないと思う。問題が長引くかもしれないが、相場への影響は限定的ではないか」との見方を示した。

円とドル
円とドル
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.0767ドル。ポンド・ドル相場は0.4%安の1ポンド=1.2475ドル。

  イングランド銀行(英中銀)のブリハ委員は、タイムズ紙とのインタビューで、「インフレ率上昇は利上げを意味しない」と発言したと報じられた。

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