ヘルスケア法案の行方にウォール街の注目集中、「困惑の市場」揺らす

  • 投資家は議会審議の行き詰まりを懸念してヘッジ増加
  • ヘルスケア法案の成否、トランプ政策の行方の前触れに

ウォール街の注目がワシントンに集中した。

  米議会共和党が23日にヘルスケア法案可決に十分な賛成票の確保を試みる中、S&P500種株価指数は前半堅調だったものの終盤下げに転じ、「トランプ相場」で最悪の下落局面は継続となった。一方、米国債など安全資産の需要は増加した。

  下院共和党は同日の取引終了前に、保守派によるトランプ政権案の検討を受けて法案採決の延期を発表。S&P500種は前日比0.1%安でこの日の取引を終えた。ダウ工業株30種平均は0.02%安、ナスダック100指数は0.2%安。

  市場にとってヘルスケア法案の採決は、歴史的な相場上昇に打撃を与えるか、それともトランプ米大統領が成長促進策を推進できるとの楽観論を裏付けることになるか、決め得るものだ。米大統領選以降に時価総額が2兆2000億ドル(約245兆円)増加した米株式市場は極めて重要な試練を迎えており、懸念は明白だ。

  経済の好調が最近の相場上昇に寄与した点に疑問を呈する人はいないが、成長促進に向けた選挙公約の法制化開始を求める投資家は多い。ヘルスケア法案の採決を間近に控え、ストラテジストや投資家は法案否決の見通しと、議会の行き詰まり状態が続いて税制改革や規制緩和の公約実現の時期が見通せなくなるシナリオに備えつつある。

  ファンドストラットのトム・リー氏は、「市場は高値圏にあり、当惑している」と説明し、共和党の政策課題の信頼性を判断する構えだと語った。

  ギャムコ・インベスターズの成長株担当最高投資責任者、ハワード・ウォード氏は「下院採決かその後の上院採決で法案が否決されれば、市場全体に利益確定売りのきっかけになる。否決はトランプ政権の政策課題の推進やタイミングを危険にさらす」と分析した。

  ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「当面、ヘッジの動きが増え、ディフェンシブ銘柄の一角が好調になる。法案が通過すれば相場は多少上昇するが、すぐに反落するだろう。今回のプロセスが物語っているのは、トランプ大統領の意向通りの法案通過は一段と難しくなり、政策の実施には市場が今想定しているよりも長い時間が必要になるということだ」と指摘した。  

原題:Wall Street Frets Over Health Vote Sway on ‘Baffling Market’ (3)(抜粋)

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