24日の東京株式相場は続伸。米国の長期金利低下が一服、円高の勢いも鈍り、銀行や保険など金融株、化学など素材株、電機や電力、陸運株と幅広い業種が高い。家庭紙製品を値上げする王子ホールディングスをはじめ、パルプ・紙株は上昇率トップ。配当権利取りの動きも株価を押し上げた。

  TOPIXの終値は前日比13.51ポイント(0.9%)高の1543.92、日経平均株価は177円22銭(0.9%)高の1万9262円53銭。

  T&Dアセットマネジメントの山中清運用統括部長は、「米ヘルスケア法案はトランプ米大統領や共和党の政策の目玉で、何らかの形で妥協点を見いだして決着をつける可能性がある」と指摘。米国株が本格調整しなければ、「年3回の利上げが見込まれる中で1ドル=110ー115円のレンジから外れた円高にはなりにくい」とし、日本株も「大崩れの心配はない」と話した。

東証外観
東証外観
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米下院指導部は23日、オバマ前政権の医療保険制度改革法(オバマケア)を改廃する法案の採決を延期した。米下院共和党の指導部は、トランプ政権からの圧力を受け、24日にヘルスケア法案の採決を行う方針だ。トランプ政権の当局者は、同法案への態度を保留する保守派との議会での非公開会合で、緊急性を訴えた。23日の海外金融市場は、米国株が小幅安など大きな動揺は見られなかった。

  23日の米10年債利回りは2.42%と1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は米紙ウォールストリート・ジャーナルとのビデオインタビューで、金融当局の取り組み次第では年内に3回か、もしかしたらそれ以上の利上げが理にかなうと述べた。日本時間で24日の時間外取引でも、米10年債利回りは上昇した。

  ドル・円相場は23日の海外市場で一時1ドル=110円60銭台まで円が上昇したが、きょうは111円40銭台までドル高・円安方向に戻した。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、米金利や為替が「財政と金融の政策バランスをつかみかねている」との認識だ。ただし、完全雇用の中では「景気刺激がうまく行き過ぎるとインフレ圧力を高めかねなかったため、長い目でみればマーケットに悪い話ではない」としている。

  国内では森友学園(大阪市)問題をめぐり、同学園の籠池泰典氏に対する衆参両院の証人喚問を23日に通過。東洋証券の浜田亨征ストラテジストは、「意見の食い違っている部分について官房長官や首相夫人がすぐ対応するなど、姿勢がぶれておらず、政治的な影響はそれほどないと受け止められている」と言う。

  足元の良好な需給環境もプラス要因だ。来週28日は3月期決算企業の配当権利付き最終売買日で、花王など個別でも権利取りの買いが入っていると東洋証の浜田氏は指摘。また、日銀は前日、TOPIXの午前終値が0.06%安でもETFを購入したため、「少しの下げでも買うことが確認され、下値を売り込みにくい」とも話した。

  東証1部33業種はパルプ・紙、電気・ガス、銀行、保険、化学、建設、陸運、医薬品など30業種が上昇。石油・石炭製品、海運、鉱業の3業種は下落。売買代金上位では、投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントによる買い増しが判明した東芝が大幅高。三井住友フィナンシャルグループやファナック、ソニー、花王、今期利益計画を上方修正した大林組も高い。半面、三菱電機やJR九州、ヤフーは安い。東証1部の売買高は18億2174万株、売買代金は2兆1456億円。値上がり銘柄数は1559、値下がりは351。

米10年債利回りは下げ止まりの兆し
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