ギリシャでは銀行預金流出の動きが再び始まった。これを受けて、同国の中央銀行は欧州中央銀行(ECB)の承認を得て国内銀行に提供する緊急流動性支援(ELA)の上限を引き上げた。金融支援の協議行き詰まりで、経済破綻の瀬戸際に陥った2015年の再現が預金者の頭をよぎっている。

  ギリシャ中銀の23日声明によれば、ECB理事会はギリシャの国内銀向けELA上限を466億ユーロ(約5兆5800億円)へと、4億ユーロ引き上げる要請に異議を唱えなかった。この引き上げは「ギリシャ国内行の流動性状況を反映し、民間部門の預金動向を考慮」したものだという。

  事情に詳しい関係者は、年初から3月16日までの預金流出額が約36億ユーロに上ったと明かす。預金減は税金の支払いならびに外国銀行口座への秩序立った資金移動を反映していると、情報が非公開であることを理由に匿名を希望した関係者が語った。

  ギリシャ中銀がELA上限値の公表を開始した2015年9月以来、上限引き上げを要請したのは初めて。ELA上限に関する声明から預金動向の「安定化」や「改善」という文言が削除されたのも初めてだ。銀行の健全性に対する預金者の信頼感が緩やかな回復を続けた16年は、ギリシャ国内銀への資金動向が純流入となっていた。同中銀は2週間前にELA上限を1億ユーロ引き下げたばかり。中銀報道官からのコメントは得られていない。

  ツァカロトス財務相と債権団の話し合いはこれまでのところ実を結んでおらず、協議のもつれが今年夏に返済期限を迎える債務の支払い不能につながる恐れがある。こうした不透明感が経済活動を圧迫し、今年の景気回復への期待を損ねかねない。

原題:Greek Deposits Bleeding Drama Resumes Amid Bailout Uncertainty(抜粋)

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