債券下落、欧米債安や益出し売りが重しとの声-日銀は売り現先を実施

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  • 上値が重いので売り手もいるようだ-マスミューチュアル生命
  • 先物9銭安の150円39銭で終了、長期金利0.065%に上昇

債券相場は下落。前日の欧米債券相場が反落したことに加えて、一部投資家からの超長期ゾーンへの益出しの売りが相場の重しになったとの見方が出ていた。

  24日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比9銭安の150円39銭で取引を開始し、いったん150円28銭まで下落。午後はやや下げ幅を縮め、結局は9銭安の150円39銭で引けた。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀決定会合前には実施しにくかった償還資金の再投資が超長期ゾーンなどに出てきている割には上値が重いので、売り手もいるようだ」と話した。「金融庁の特別検査をにらんで地方銀行などが長期化しているデュレーションの調整と、益出しが可能な超長期債を売っている可能性がある」と指摘した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.06%で始まり、0.065%に上昇した。新発2年物374回債利回りは1.5bp高いマイナス0.26%、新発5年物131回債利回りは2bp高いマイナス0.145%まで売られた。新発20年物160回債利回りは一時1bp高い0.65%まで上昇した後、0.645%で推移した。

  中期ゾーンの軟調推移について、日銀が23日に発表した「3月末におけるレポ市場の国債需給タイト化への対応について」が影響したとの見方が出ていた。みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「ドル・円ベーシスは急速にタイト化するなど、一部の市場では早速影響が見られている。現物債市場でも中短期ゾーンを中心に需給が逼迫(ひっぱく)して いる銘柄には相応の影響を及ぼす可能性があり、注目されるところ」だと指摘した。

国債売り現先オペ

  日銀はこの日午前の金融調節で、約8年ぶりとなる国債売り現先オペを実施した。3月27日開始で期日が4月3日の1週間物となる。1兆円の予定額に対し、2兆601億円の応札があり、応札倍率は2.06倍となった。最高落札利回りはマイナス0.110%、平均落札利回りはマイナス0.130%だった。

日銀国債売り現先オペ結果はこちらをご覧下さい。

  日銀は23日、レポ市場の国債の需給が引き締まっているため、24日に1週間物の国債売現先オペを行い、27日以降も必要に応じて同オペをオファーするほか、月内は金融市場調節の一環として行う短国買い入れを実施しない方針などを発表した。

  こうした日銀対応について、セントラル短資の佐藤健司係長は、「24日の短国買い入れオペを期待して1年物などを持っていた参加者などは、はしごを外された。業者を中心にファンディング需要が強まっている」と指摘。売り現先オペの結果については「期末のGCレポ市場の需要を満たした形。需給的にはそれほど必要ではなかった可能性。レート水準もそれほど強くない」と述べた。

欧米金利上昇 

トランプ米大統領

Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  23日の米債券相場は小幅反落。米10年国債利回りは1bp高い2.42%程度となった。米下院共和党がヘルスケア法案の採決を延期したことが材料となったが、ホワイトハウスは24日にヘルスケア法案が通過すると見込んでいる。同日の欧州債市場ではユーロ圏の中核国の国債が下落。ドイツ10年債利回りは2bp高い0.43%となった。

  みずほ証の辻氏は、「年度内の超長期ゾーンの国債買い入れオペは昨日をもって終了。利付債の供給も流動性供給入札と 2 年債入札を残すのみとなり、年度内の大きな吸収・供給イベントはともに一巡。国内のイベントに欠ける中で、円債市場は海外に連動した動きとなりやすく、欧米金利の上昇に素直に反応する相場」と指摘した。  

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