欧州中央銀行(ECB)は23日、最後の条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)を実施した。利用額は2335億ユーロ(約27兆9700億円)に達し、以前に実施されたTLTROの借り換えを除いた純額ベースでTLTRO1とTLTRO2を通じて最高となった。

  景気回復でECBの緩和措置解除の議論が求められ始める中で、金利ゼロまたはそれ以下の4年物資金の需要は高まり、474銀行が応札した。ブルームバーグが実施した調査で、利用額の予想中央値は1100億ユーロ(レンジ300億-7500億ユーロ)だった。  

  利用額が大きかったことは、ECBが積極的な金融緩和の終わりに向かおうとしているとの臆測が銀行側にあることを示唆する。ブルームバーグの調査では債券購入プログラムの終了は2018年の半ばごろと予想されている。ECBは同プログラム終了後も相当期間、低金利を続ける方針を打ち出しているが、一部の政策委員会メンバーからは、この期間の短縮や順序の逆転もあり得るとの声が聞かれている。

  ドラギ総裁はこの日、銀行が課題を解決するのに残された時間は少ないとの見方を示した。総裁は単一監督メカニズム(SSM)の年次報告書の序文で「銀行セクターがユーロ圏の景気回復を支える能力は収益力の低さによって抑えられている」と指摘。「過剰な規模と非効率、負の遺産が銀行の低収益力の原因だ。これらの問題を適切に解決するのは銀行自身の仕事だ。力強い景気回復のために迅速に解決する必要がある」とくぎを刺した。 

  今回のTLTROではイタリアの銀行の利用が活発で、最大手のウニクレディトは244億ユーロを借り入れた。

  ECBは当初のTLTROを14年9月に開始。借り手にとってさらに有利になったTLTRO2は昨年始まり、合計12回のオペでの供給額は純額ベースで約8340億ユーロとなった。

  メリオン・キャピタルのエコノミスト、アラン・マケード氏は「今回は低コストの資金を4年間確保できる最後の機会なので当然、今までのTLTRO2よりも需要は多くなる。しかしECBがこれまでの想定より早く利上げをすることへの懸念が強まっているため一段と需要が増えるだろう」と話していた。

  TLTROで借り入れられる額は銀行の融資ポートフォリオの規模に連動する。融資促進を狙ったこの政策は有効だったと、ブルームバーグの調査に答えたエコノミストの70%が回答した。

  政策パッケージが奏功しユーロ圏経済は15四半期連続で拡大、インフレ率も2%に達したが、ECBはまだ勝利を宣言していない。プラート理事は先週、見通しは政策変更議論を促すようなものではないと述べた。

  それでも出口戦略の議論は始まろうとしている様子で、債券購入とマイナス金利の解除の順序が9日の政策委員会で言及された。ノボトニー・オーストリア中銀総裁やビスコ・イタリア中銀総裁らは現在のECBのフォワードガイダンスが変更される可能性について発言している。

  投資家もこれを認識し、現行でマイナス0.4%の中銀預金金利が12月までに引き上げられる確率を50%以上織り込んだ。1カ月前には11%にすぎなかった。

ECBはQE終了から利上げまでの期間を短縮も-ビスコ氏

ドラギECB総裁:銀行は経済支えるため迅速に収益力回復を

原題:Banks Take $252 Billion in ECB Free Loans With QE Exit in Mind(抜粋)
UniCredit Borrows More Than $26 Billion in Final ECB TLTRO Round(抜粋)

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