米アップルはようやく、タブレット型端末「iPad(アイパッド)」事業で現実に目を向け始めている。

  同社は21日、 アイパッド主力機種の廉価版の新型モデルを発売すると発表した。この機種の後継モデルが出るのは2014年後半以来となる。

  アイパッドの主力機種にとって、2年半という新モデル発売の間隔は極めて長い。ただ、この傾向はアップルのパソコン(PC)「Mac(マック)」事業でも取り入れられている。

販売台数の推移
販売台数の推移
SOURCE:BLOOMBERG

  アイパッド主力機種の発売の間隔が空くのは低迷の兆しではなく、アップルと同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)が現実を認めていることを示している。クックCEOはかなり長期間にわたりアイパッドが成長事業だと主張してきた。 だが、実際にはそうでないことはあまりにも明白だ。

  アイパッドの販売台数は12四半期連続で減少している。直近の年度ではアイパッドの販売台数は初代モデルが発売された2011年度以降で最低となった。これは「一時的」だとする販売停滞がもはや一時的ではないことを示す十分すぎる証拠だ。同社は毎年新型モデルの発売に時間と資金を割かないことで、衰退の一途をたどる事業に対して正しいアプローチを取っていることになる。

  ただ、アイパッドがもはや成長事業でないということを、誰かがクック氏に教えるべきだ。

  クック氏は1月のアナリストとの電話会議で、アイパッドの今後の展開について「私は依然非常に楽観的だ」と語った。短期的な売り上げに打撃を与える可能性のある一時的な在庫の問題を除いては、「私はアイパッドに対して極めて強気だ」と述べた。

  アップルは、人々のアイパッドへの満足度が高く、中国やインドなどの国々で売り上げが伸び、タブレット市場シェアが首位であると引き続き自負している。これらは全て本当のことかもしれない。しかし、縮小する産業で首位であることを図々しく自慢できる企業はほとんどないはずだ。調査会社IDC によると、16年の世界のタブレット販売は15.6%減少した。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)

原題:Apple’s Bullish Hopes for iPad Run Into Harsh Reality: Gadfly(抜粋)

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