欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル指数は6日続落、円には逃避の買い-リスク回避広がる

  22日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下げる一方、円には買いが入った。トランプ米大統領による景気刺激策に遅れが生じるとの懸念に関連し、世界的にリスク回避の動きが強まった。

  リスク回避の動きから世界の多くの株式相場が下落する中、円は高利回り通貨に対して大きく値上がりした。医療保険制度改革法(オバマケア)を撤廃・代替する共和党法案の通過が遅れれば、トランプ大統領の成長促進策の要と捉えられている税制改革が先送りされる可能性があるとトレーダーらは懸念している。同法案は23日に下院本会議での採決が予定されている。ポンドはロンドンの議会議事堂付近で発生したテロ事件の直後にこの日の安値に下落したが、現在では下げを縮めている。  

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%低下。これで6営業日連続での下げとなった。これは昨年11月以降で最長の連続安。

  円はドルに対して0.5%上昇の1ドル=111円16銭。対ユーロでは0.6%上げて1ユーロ=120円03銭。

  円は対ドルで年初来高値を更新する場面もあった。オーストラリア・ドルに対しても値上がり。匿名を条件に語った複数のトレーダーによれば、市場ではリスクが高めのポジション解消が進んだ。日本の年度末である3月末を控えたレパトリ(自国への資金回帰)の動きも円を押し上げた可能性がある。

  ドルは対円で一時1ドル=110円73銭に下げ、テクニカル上の支持線であるそれまでの年初来安値111円60銭を下回った。

  ポンドは1ポンド=1.2480ドル付近で推移。ロンドンでのテロ事件が報じられる中で一時は1.2424ドルに下げる場面があった。

  フランスやドイツの選挙を年内に控え、ユーロ圏の政治的不透明感が依然として対ドルでユーロの上昇を抑えている。
原題:Dollar Losing Streak Reaches Sixth Day as Yen Draws Haven Bids(抜粋)

◎米国株:S&P500種が小反発、ハイテク株は高い-銀行株売りは続く

  22日の米株式市場ではS&P500種株価指数が小反発。ハイテク株の比重が高い指数はより堅調に推移した。前日に売りがかさんだ銀行株はこの日も下げた。通信サービス株も安い。
  
  米政権が成長重視政策を導入できるのか、先行きへの不安が広がっており、米国債や円に引き続き逃避需要が集まった。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%上げて2348.45で終了。一方、ダウ工業株30種平均は6.71ドル安の20661.30ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.5%上昇。

  米国株の上昇は市場の落ち着きを示した。ただ、共和党が推進する医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の本会議採決を23日に控え、質への逃避も根強かった。共和党の指導部はオバマケアの撤廃に失敗すれば、大型減税や歳出拡大の実施が遅れると警告している。世界的に経済指標が堅調なことを考えると前日の売りは行き過ぎだったとの見方から、この日は買いを再開する投資家もいた。

  グラディエント・インベストメンツの運用担当者、マリアン・モンターニュ氏は「下げは長らく待たれていた。ハイテク株だけでなく、大型バリュー株も下げたのは買いの好機だ」と指摘。「ハイテク株が軒並み崩れているわけではないことに留意する投資家もいるようだ。ハイテク株の下げはファンダメンタルズによるものではなく、プライシングの機能にすぎない」と語った。

  ナスダック100指数が0.7%上昇した一方、小型株で構成するラッセル2000指数は0.1%下げた。
原題:U.S. Stocks Rise as Rout Eases; Bonds, Gold Rise: Markets Wrap(抜粋)
U.S. Stocks Rebound After Selloff as Technology Shares Advance(抜粋)

◎米国債:続伸、財政刺激策への期待が薄れる-オバマケア代替案が難航

  22日の米国債相場は続伸。米医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の本会議採決を23日に控え、共和党の一部保守派議員が法案可決を阻んでいることを受けて、米財政刺激策の実施が先送りされるとの見方が強まっている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.41%。一時は2.373%と、2月28日以来の水準に低下した。共和党の保守派メンバーで構成する「下院自由議員連盟」を率いるマーク・メドウズ議員は「可決するための十分な票はない」と述べた

  30年債利回りは一時、3月1日以降で初めて3%を下回った。ロンドンの議会議事堂付近でテロ事件が発生した。

  利回りは4日連続で低下した。原油安がインフレ見通しの押し下げに寄与したことが米国債の買いにつながった。ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物がバレル当たり48.04ドルで終了した。

  ドルが対円で1ドル=111円の水準を割り込み、昨年11月後半以来の低水準に下げたことも支援材料だった。

  米国債続伸に伴い、利回りは主要な水準に近づいた。10年債利回りは節目水準とされる2.39%に迫っている。BMOのストラテジストは「2.30%の下限に向け、さらなる動きを食い止める材料はほとんどない」とリポートで指摘した。
原題:Treasuries Extend Gains Driven by Fading Bets on Fiscal Stimulus(抜粋)

◎NY金:スポットは6日続伸、トランプ・トレード後退で株下落

  22日のニューヨーク金相場は続伸。株価下落を背景に買いが続いた。トランプ大統領が公約した米経済の成長促進策を実現できないとの懸念が深まっている。

  金スポットは過去6営業日の上昇率が4%超と、昨年6月下旬に英国が欧州連合(EU)離脱を決めて以降で最大の上昇。ニューヨーク時間午後2時39分現在では、前日比0.4%高の1オンス=1250.33ドル。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比0.3%高の1オンス=1249.70ドルで終了した。

  オイゲン・ワインベルク氏を含むコメルツ銀行のアナリストは、「トランプ政権が大胆な減税や大規模なインフラ投資政策を導入しインフレ押し上げと大幅な利上げにつながるとの期待は、しぼみつつあるようだ」とリポートで指摘。「トランプ大統領は今のところ、大々的に打ち出した公約を一つも実行に移すことができていない」と述べた。

  銀とパラジウムのスポット相場も上昇。プラチナは下落。
原題:Gold’s Six-Day Winning Streak Ranks as Best Gain Since Brexit(抜粋)

◎NY原油:続落、米在庫増を嫌気-ブレントは一時50ドル割れ

  22日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続落した。最新の米エネルギー情報局(EIA)統計で先週の米在庫が急増したことが明らかとなり、主要産油国の減産で市場が均衡を取り戻すとの楽観論が後退。これを受けてロンドンICEの北海ブレント原油は一時、今年初めて1バレル=50ドルの大台を割り込んだ。

  ジョン・ハンコック(ボストン在勤)のシニアマネジングディレクタ ー、チップ・ホッジ氏は電話取材に対し「中東の産油国への打撃は大きいはずだ」とし、「現在の在庫水準と米国での掘削活動の高まりを踏まえると、相場を押し上げる材料は見当たらない」と指摘した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比20セント(0.41%)安い1バレル=48.04ドルで終了。北海ブレント5月限は32セント安い50.64ドルと、石油輸出国機構(OPEC)が減産で合意した昨年11月30日以来の安値で引けた。終値ベースで200日移動平均を下回ったのは11月中旬以降で初めて。日中安値は49.71ドル。
原題:Brent Oil Falls to Lowest Since November as U.S. Stockpiles Rise(抜粋)

◎欧州株:3日続落-トランプ米大統領の成長政策実現に疑問

  22日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は3日続落となった。トランプ米大統領当選以来、市場が織り込んできた景気支援策の実現性に疑問が生じたことが背景にある。

  ストックス600指数は前日比0.4%安の374.03で終了。公益事業株と電気通信株を除き全ての業種別指数が値下がり。とりわけ旅行関連銘柄の下げが目立った。

  CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏はリポートで、「最もぼんやりとした楽観主義者ですら、ある程度コンセンサスがあるヘルスケア分野でさえ改革には思ったよりはるかに長い時間がかかりそうだということを認識しつつあるようだ」とし、「税制や銀行改革、インフラ支出などのプログラムはさらに後になる公算が大きい」と指摘した。

  英FTSE100指数は0.7%安と、1月末以降で最もきつい値下がり。ロンドンの議会議事堂の近くで発生したテロ事件で少なくとも1人の死者が出た。

  ストックス600指数の銀行株指数は2週間ぶりの安値に沈んだ。個別銘柄ではオランダのソフトウエアメーカー、ジェムアルトが17%安。第1四半期は減収となる見通しで、通期の業績予想も下方修正すると発表したことが嫌気された。
原題:European Stocks Mirror Global Selloff on Trump Trade Skepticism(抜粋)

◎欧州債:中核国債が上昇、利回り曲線フラット化-スペイン債も上げる

  22日の欧州債市場では中核国の長期債を中心に上げ、利回り曲線が平坦化した。円高と信用スプレッドの拡大で、リスクオフの動きが一時強まった。

  ドイツ国債先物は寄り付きから上昇。トレーダーによれば、独10年債や英国債、独2年債、米国債にはショートカバー需要が見られた。

  スペイン国債はこの日も大きく上げ、10年債はイタリア国債を上回るパフォーマンスとなった。
原題:Bunds Squeeze Higher, Curves Flatten; End-of-Day EGB Curves(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE