22日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が4カ月ぶりの水準となる1ドル=111円台前半まで下落。トランプ政権の経済政策運営の先行きが懸念される中、世界的な株安や米金利の低下を背景にドル売り・円買いが進んだ。

  ドル・円は午後4時半現在、前日比0.1%安の111円58銭。午前8時前には海外安値(111円55銭)を下抜け、111円43銭までドル売り・円買いが進行。その後111円台後半で一進一退の展開が続いたが、欧州勢が参入し始める午後4時前には一段安となり、一時111円33銭と同11月23日以来の安値を付けた。

  外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、日本株の下げの割にドル・円はしっかりしている感じもあるとし、「やはり今日のニューヨーク株次第だろう」と指摘。ドル・円はテクニカル的にも週足の一目均衡表の雲の上限など「重要な水準に来ている」とし、111円台半ばから111円にかけてのサポートを「抜けるかどうか」と話した。

  ライアン下院議長が支持するオバマケア(医療保険制度改革法)代替案が下院の保守派や上院共和党の支持取り付けに苦戦する中、一部の共和党議員は法人・個人を対象とした大胆な税率引き下げを盛り込む税制改革の実現がオバマケア撤廃の成否にかかっていると指摘している。下院の保守派は20日遅く、求めていた法案修正は得られなかったとし、通過を阻止する可能性もあるとの考えを示した。

  オバマケア代替案が議会を通過しないとの懸念から、21日の米国株は昨年10月以来の大幅安を記録。22日の日本株もトランプ氏の大統領選勝利以降で最大の下げとなり、アジア株はほぼ全面安となった。一方、米10年債利回りはアジア時間22日の時間外取引で3週間ぶりとなる2.40%まで低下。世界的な株安を背景に質への逃避が続いている。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「まずは木曜日にオバマケアの廃案が議会を通るかどうかが鍵」だとし、「これが進まないと予算概要で示された防衛費の拡大や、その先の法人税減税やインフラ投資の話に行かない」と話した。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要16通貨全てに対して上昇。対オーストラリア・ドルでは一時1豪ドル=85円33銭前後まで上昇し、2月7日以来の高値を付けた。

  一方、ドルは資源国通貨や欧州通貨に対して上昇する一方、安全通貨とされる円やスイスフランに対しては売られている。

  三菱東京UFJ銀行金融市場グループの野本尚宏調査役は、米株についてはこれまで調子が良かった分、大きく下げたことで下値リスクへの不安から下がりやすくなっていると指摘。米株はもう少し調整がありそうで、「ドル・円の上値は重そう」と話した。

  ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.07ドル台後半へ弱含んだ後、午後には1.08ドル台を回復。一時1.0819ドルと前日の海外市場で付けた2月2日以来の高値に並んだ。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE