債券は上昇、米政策の先行き不透明感で買い圧力-40年入札は無難通過

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  • トランプ相場で走ってきた期待感さらに剥げ落ちる可能性-岡三証
  • 先物15銭高の150円42銭で終了、長期金利0.055%と3週間ぶり低水準

債券相場は上昇。米トランプ政権の政策をめぐる先行き不透明感を背景にリスク回避ムードが広がったことに加えて、40年国債入札を無事に終えたことで買い圧力が強まった。

  22日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比5銭高の150円32銭で開始。午後に入って40年入札結果が判明すると150円47銭まで上昇。結局は15銭高の150円42銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、40年入札について「ほぼ実勢どおりの無難な結果で警戒されていたほど悪くなかった」とし、「イベントを通過し、年度末を控えて参加者も少ない中でじり高になりやすい」と指摘。「トランプ相場でずっと走ってきた期待感がさらに剥げ落ちる可能性があるほか、フランスの大統領選挙など海外で先行き不透明要因が多い」と言い、「主要国全般に債券利回りには低下圧力がかかりやすい」としている。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から横ばいの0.06%で寄り付いた後、0.5ベーシスポイント(bp)低い0.055%と、1日以来の水準に下げた。新発20年物160回債利回りは1bp低い0.635%と、7日以来の低水準を付けている。

  財務省が実施した40年利付国債入札の結果は、最高落札利回りが0.935%と、市場予想の中央値0.95%を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.95倍と、前回の2.99倍からやや低下した。

過去の40年入札の結果はこちらをご覧ください。

トランプ政策に不透明感

  トランプ大統領は21日、下院共和党議員との非公開会合に出席し、医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案を可決しなければ2018年の選挙で多くが議席を失う可能性があると警告した。一方、下院の保守派は20日遅く、求めていた法案修正は得られなかったとし、通過を阻止する可能性もあるとの考えを示した。

  21日の米株式相場は大幅安。トランプ政権の成長重視政策が議会を通過しないとの懸念が広がった。ダウ工業株30種平均は前日比1.1%安の20668.01ドルで終えた。一方、米国債相場は株安を受けて避難資金が流入する格好で続伸。10年債利回りは4bp低い2.42%程度となった。

トランプ米大統領

Photographer: Michael Reynolds/Pool via Bloomberg

  トランプ政権の政策について、岡三証の鈴木氏は、「財政面で今後議会対策等を進めなくてはいけない中で、オバマケアの代替法案からつまずくと先行き警戒感が強まる」と指摘した。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「トランプラリーの持続性に対する懐疑論が広がっている。欧州で政治リスクが後退するか、トランプ政権が景気刺激策を具体化するまで、ポジション調整は続く」とみている。
 

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