日本株はトランプ相場で最大の下げ、米株安や円高-金融中心に全面安

更新日時
  • 米国株はトランプ氏が大統領選で勝利して以降で最大の下げ
  • 米長期金利は2.42%に低下、昨年11月以来の1ドル=111円40銭台

22日の東京株式相場はほぼ全面安で、米大統領選後の最大の下げとなった。トランプ米政権の政策期待後退による米国株の大幅安や米金利低下、1ドル=111円台への円高が重なり、銀行や保険など金融株をはじめ、自動車など輸出関連、鉄鋼など素材株中心に東証33業種中32業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比33.22ポイント(2.1%)安の1530.20、日経平均株価は414円50銭(2.1%)安の1万9041円38銭。下落率はいずれも米大統領選時の昨年11月9日以来の大きさ。

東証内観

Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは「トランプ米大統領が政策を行おうとしても議会が動かないリスクが急浮上している。米国株は割高を正当化しにくくなり、なお下げ余地がある」と述べた。米国株が本格調整すれば「日本株はグローバル投資家のリスクオフと円高というダブルパンチから、米国株以上に下げがきつくなる懸念がある」という。

  21日の米国株市場はS&P500種株価指数が1.2%安の2344.02、ダウ工業株30種平均が1.1%安の20668.01ドルと、いずれもトランプ氏が大統領選で勝利して以降で最大の下げを記録した。下院共和党はヘルスケア関連法案が議会を通過しなければ税制・歳出改革が危うくなると警告。成長重視政策が議会を通過しないとの懸念が広がった。質への逃避から債券が買われ、10年債利回りは約4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 下げて2.42%となった。

米S&P500種株価指数の推移

  米国の財政面の刺激策が行き詰まる可能性が警戒され、為替市場ではドルが下落。きょうのドル・円相場は一時1ドル=111円43銭と、昨年11月以来の円高水準を付けた。東京株式市場の21日通常取引終了時点は112円80銭だった。

  SMBC日興証券投資情報部の太田千尋部長は「米金利やドルはトランプ米大統領の政策効果が本格的に出るのは来年と見込み、昨年12月ごろにいったんトランプラリーのピークを付けた。しかし米国株だけは期待を持ち続けた」と指摘。そうした中、「トランプ大統領はオバマケアに手をつけようとしたが進まず、政権を支えるとみられていた共和党はうまくまとまっていない。大統領の政策遂行能力に疑問が出てきた」という。

  チャート上で大きな陰線となった米国株に続き、きょうのTOPIXと日経平均は投資家の中期的な採算ラインである75日移動平均線を割り込み、上昇相場に変調の兆しが出てきた。北朝鮮がミサイル数発を発射した可能性があると共同通信が報じたことも一時嫌気されたほか、今夜の米国株市場の動向を探る上で目安となるシカゴ24時間電子取引システムのS&P500種株価指数先物が基準価格比で軟調に推移し、日経平均は取引終盤に一時1万9026円と取引時間中としては2月27日以来の1万9000円割れが目前に迫る場面があった。

  東証1部業種別下落率で保険が1位、証券・商品先物取引が2位、銀行が4位と、金融株の下げが目立った。昨日の米国株市場で金利低下から金融株が売られ、S&P500種業種別11指数で金融が2.9%安と下落率首位だったことが波及した。「金利上昇と規制緩和への期待からトランプラリーのシンボル的な位置にあった米金融株の大幅安は、大きな投資主体から見切られたという印象」と、水戸証の酒井氏はみていた。米国ではバンク・オブ・アメリカが5.8%安、ゴールドマン・サックス・グループは3.8%安だった。

  東証1部33業種では金融のほか、海運、輸送用機器、鉄鋼、非鉄金属、不動産も下落率上位。任天堂がけん引したその他製品のみ上昇。売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、富士重工業、第一生命ホールディングス、野村ホールディングスが安い。みずほ証券が目標株価を上げた任天堂のほか、全国保証は高い。東証1部売買高は概算20億5553万株、売買代金は同2兆6583億円で、株価指数オプションの特別清算値(SQ)算出日を除いて1月26日以来の高水準。値上がり銘柄数は107、値下がりは1854と全体の92%が下げた。

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