ドル・円は小反発、重要イベント通過しドルの調整一巡-112円台後半

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  • 朝方112円27銭と3週間ぶり安値付けた後、午後に112円86銭まで戻す
  • ドル・円、下を攻めきれずショートカバーで反発-三井住友信託銀

21日の東京外国為替市場のドル・円相場は小反発。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議など重要イベントを通過したことでドルの調整が一巡し、徐々に水準を切り上げる展開となった。

  午後3時56分現在のドル・円は前日比0.1%高の1ドル=112円69銭。朝方に一時112円27銭と2月28日以来のドル安・円高水準を付けた。その後は時間外取引で米10年債利回りが上昇したことに伴い、徐々に水準を切り上げ、午後に入って112円86銭まで値を戻した。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームの西田朋広主任調査役は、「ドル・円は午前中に日足一目均衡表の雲を割り込んできたことで、チャート的に下値リスクが意識され下向きの動きが強まったが、下を攻めきれずショートカバーで反発している形」と説明。「米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、調整でドルが売られて米金利も低下してきたが、まだ市場は年3回の利上げを織り込んでもいない。まして年3回見通しが低下する材料もないことで、これ以上米金利は低下しづらい。その意味で112円前半は堅い感じがする」と述べた。

  ドイツのバーデンバーデンで開催されたG20会議は18日に閉幕。共同声明では、「経済に対する貿易の貢献の強化に取り組んでいる」と表現。米国が求めていた公正な貿易を確実にするといった具体的な約束は盛り込まれなかったものの、昨年の共同声明にあった「あらゆる形態の保護主義に対抗する」との文言は削除された。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「為替政策では従来のスタンスを維持した。一方、米政権が変わり、その主張に反応して、保護貿易に関する文言を修正した。ただ直接的に為替市場に影響を与えるものではなかった」と指摘。また、「ムニューシン米財務長官は従来型のスタンスを示した。保護貿易を主張したものの、為替政策に関しては特に言及はなかった」と語った。

G20会議

Photo by Thomas Niedermueller - Pool/Getty Images)

  20日の海外市場では、米金融政策当局者の発言を受けて、米国株が小幅下落し、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.46%で終了した。

  ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、高インフレの脅威はすぐそこに迫ってはいないと発言したほか、シカゴ連銀のエバンス総裁は講演で、年内に2、3度の利上げを支持する考えを示した。

  この日は、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が英国ロンドンでパネル討論会に出席する。カンザスシティー連銀のジョージ総裁とクリーブランド連銀のメスター総裁も講演する予定。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、米国株が軟調に推移したが、下落幅そのものは限定的でリスクオフという動きではないと指摘。「ハト派なFOMCだったとはいえ、シカゴ連銀総裁の発言はタカ派的な話でもあり、米金利がどんどん低下するわけでもない。あくまで米金利低下もポジション調整の中の動き」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.0765ドル。先週末以来の安値となる1.0719ドルを付けた後、1.0770ドルまで反発した。ユーロ・円相場は1ユーロ=120円66銭と今月9日以来の水準に下げた後、121円44銭まで反発した。

  調査会社エラブの世論調査によると、フランス大統領選に向けたテレビ討論会でマクロン前経済相が最も説得力があった。視聴者の29%がマクロン氏が議論をリードしたと回答した。

  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、政治的不透明性の後退、元よりある経常黒字の大きさ、欧州中央銀行(ECB)金融政策のタカ派傾斜の三つがユーロの底堅さに効いていると分析。「緩和が次来るかもしれないから買えないという人が多かったと思うので、これからこれが解除されていく見通しが強くなるなら買う人が増えるのではないか」と語り、年央には1ユーロ=1.10ドル乗せはあると見込んでいる。

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