中国スマホ2社生んだ資産家の段氏、米アップルに勝利した理由を語る

段永平氏

Source: ImagineChina

中国スマートフォン市場では昨年、地元企業のオッポ(OPPO)とビボ(vivo)が躍進する一方、米アップル「iPhone(アイフォーン)」は初の出荷台数減少と手痛い後退を強いられた。これら2社を生んだ中国の資産家の段永平氏はアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)には会ったことがあるが、初めて面会した数年前にクック氏がこのような展開になるとは夢にも思わなかったはずだと確信している。

  メディア取材に応じるのは10年ぶりだという段氏(56)はブルームバーグ・ニュースに対し、アップルは中国以外の場所で通用した成功の法則を危険にさらすことを恐れて、中国でオッポとビボが打ち出した戦術に対応するのを渋ったため、両ブランドに水をあけられたとの見方を示した。

  「アップルが中国でわれわれに勝てなかったのは、アップルといえども欠点はあるからだ。同社は時に頑固過ぎるのかもしれない。基本ソフト(OS)など数多くの素晴らしいものを生み出したが、その他の領域ではわれわれが勝っている」と話した。

  だからと言って段氏はアップルの世界的な影響力を正しく評価していないわけではない。むしろアップルに長きにわたって投資を行い、同社CEOのファンであることを隠さない。クック氏とは「数回会った。彼は私を知らないかもしれないが、少し話もした。彼にはとても好感を持っている」と話す。

  アップルはブルームバーグの取材に対し、両氏が面会した事実があるかどうかは確認できないと回答したが、段氏は2013年から自身のブログでアップルの製品、株価、事業についての投稿を続けている。おまけに、住んでいるのもカリフォルニア州パロアルトで、アップル本社までは車でほど近い距離だ。

  「アップルは並外れた企業だ。われわれにとって学ぶところは多い」とした上で、「われわれには他人を追い越すという概念はなく、むしろ自らを改善することに重きを置いている」と段氏は語った。

  オッポとビボはインドや東南アジアまで広い範囲でし烈な競争を繰り広げている。コンサルティング会社カナリスのシニアディレクター、ニコール・ペン氏は、両社とも「従業員を最大限活用する方法を完璧に理解している。これは段氏譲りの強みだ」と指摘した。有名中国人の起用と国内販売代理店網の活用を軸としたマーケティング攻勢が実を結び、IDCによる推計では16年のスマホ出荷台数は両社合計で1億4700万台超となり、華為技術の7660万台、アップルの4490万台、小米の4150万台を上回った。

  段氏は今もオッポとビボの株式をかなり保有している(同氏は具体的な数字は明らかにしていない)が、表舞台から離れ家族とカリフォルニアでの生活を楽しむ方がいいとして、両社からは一段と距離を置きつつある。取締役会には出席しているが、「邪魔をしないよう」情報はもっぱらインターネットで調べているという。

  段氏は現役の企業幹部に戻らないことだけは確実だとの考えも示し、「何年も前から言っているがカムバックはあり得ない。彼らが修復できない問題だったら、私にだって無理だ」と語った。

原題:Secretive Billionaire Reveals How He Toppled Apple in China(抜粋)

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