メガヨットを所有することは極めて採算の悪いビジネスだと、会員制コンシェルジュサービスを手掛けるクインテセンシャリーの創業者で会長のアーロン・シンプソン氏は話す。

  「ヨットを維持するだけで、購入価格の10%のコストがかかる。ヨットを2500万ポンド(約35億円)で買ったとしたら、1年に3週間しか使わないのにランニングコストは250万ポンドに上る」とシンプソン氏はぼやく。

クインテセンシャリー1号
クインテセンシャリー1号
Source: Quintessentially

  それなのに、クインテセンシャリーは世界最大のメガヨット「クインテセンシャリ-1号」の運航に商機を見いだした。なぜか。

  同社のコンシェルジュチームはレストランやホテルの予約代行などの要請に対応し、60都市で24時間会員をサポートする。年会費はサービスのレベルに応じて5000-6万ドル(約57万-680万円)。最高クラスの会員は招待制で、複数の都市で加入は順番待ちの状態だ。

船内の共用スペース
船内の共用スペース
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  現在建造中の3億400万ドルのクインテセンシャリ-1号は重量4万5000トン。全長は220メートルと、現在最大のヨットより40メートル長くなる。映画「007」シリーズに出てくるようなプールやしゃれたレストラン、ヘリコプター発着場、劇場、ビーチクラブを備える。

デッキにあるプール
デッキにあるプール
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  小型クルーズ船のようなヨットではないかと感じられるかもしれないが、大きな違いが1つある。クインテセンシャリー1号で最も重要なのは、そこに乗船する人々ということだ。ヨットは豪華だが、こうした人々に見合うバックグラウンドにすぎない。

  シンプソン氏はクインテセンシャリー1号について、影響力のあるプロフェショナルだけが参加する、著名人の講演イベント「TEDカンファレンス」の海上版になると説明した。

豪華なキャビン
豪華なキャビン
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  クインテセンシャリ-1号は現在、2020年のサッカー欧州選手権大会までの完成が予定されている。

  クインテセンシャリー1号は招待制で、シンプソン氏によると「世界最大の海上会員制クラブ」になることを目指しているという。

船上のリラックススペース
船上のリラックススペース
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  シンプソン氏は「当社はすでに広範な世界的ネットワークを持っている」と指摘し、「そのため、最初の船の会員は恐らく当社の会員だけで埋まるだろう。1隻当たりの会員数は5000人だ」と述べた。シンプソン氏は2号と3号の運航も将来像として描いている。

スパなどを備えたウェルネスエリア
スパなどを備えたウェルネスエリア
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  クインテセンシャリ-の会員でない場合は、3つの選択肢がある。7ー9月(第3四半期)のヨット会員権の配分を決定する委員会が開かれる前に、会員申し込み申請をすることができる。自分の都市の枠が全て埋まっていたら、クインテセンシャリーの関連不動産・集合住宅に引っ越すか購入することもできる。これは会員になるための一種の裏技だ。

  または恐らく最も現実的な戦略は、すでに会員になっている人と友達になることだ。非会員のクインテセンシャリー1号への乗船資格を審査する委員会は、会員からの紹介に基づいて「現在の重要問題について集まって議論することができる最上級のメンバー」を選ぶ方針だという。 

原題:How to Get an Invite Onto the World’s Biggest Megayacht(抜粋)

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