20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は貿易について、保護主義への抵抗に言及することを避け、これまでより姿勢を軟化させた共同声明を採択した。世界的な通商体制の抜本的な見直しを訴えるトランプ米政権の姿勢が影響した。

  ドイツで開かれたG20は18日に閉幕し、共同声明では「経済に対する貿易の貢献の強化に取り組んでいる」と表現。米国が求めていた公正な貿易を確実にするといった具体的な約束は盛り込まれなかったものの、昨年の共同声明にあった「あらゆる形態の保護主義に対抗する」との文言は削除された。

  バーデンバーデンで2日間行われたG20会合では、世界貿易の均衡に対する新たな認識を求める米国の圧力に押されるなか、参加国の意見が分かれた。米財務長官として初の国際会議に参加したスティーブン・ムニューシン氏は、米国は現行体制の下で悪い条件を押し付けられてきたとするトランプ大統領の主張を反映した論理を展開した。

  カナダのモルノー財務相は「米国勢の行動は、新政権ならどこでもやることだ。つまり自分たちの眼鏡で文言を読むという行動だ」と指摘。「米国の眼鏡というのは、どうすれば米国に有利な貿易が可能かというものだ。他の国も同じ眼鏡で見ているが、前回会合に出席していたという点で有利だった」と述べた。

  貿易をめぐるこうしたムードは17日、ホワイトハウスでも鮮明になっていた。トランプ大統領はドイツのメルケル首相と会談し、米国は通商の取り決めにおいて「極めてひどく不公平な」扱いを受けていると述べ、従来からの発言を繰り返した。

  ムニューシン氏を迎えたG20会合の出席者らによると、見解の相違を埋めようと同氏自身も取り組んではいたが、米国がどのように不当な扱いを受けていると考えているのか、詳細な説明はしなかった。結局、ムニューシン氏とその他出席者との間で、有意な折り合いはつかなかったという。7月にハンブルクで開かれるG20首脳会合までに、貿易に関するコンセンサスを深められるよう働き掛けを続けることになりそうだ。

  フランスのサパン財政相は「今回の話し合いが満足のいくやり方で終わらなかったことを残念に思う」との声明を出した。後の記者会見では「G20の意見不一致ではない。1カ国と他のG20諸国の間で見解が分かれている。風刺画ではなく、現実のことだ」と語った。

原題:G-20 Drops Anti-Protectionist Pledge as Price of U.S. Assent (1)(抜粋)

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