GPIFや3共済:リスク資産が100兆円突破、トランプ相場追い風

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  • 日本株と外国証券の残高はともに最高を更新
  • 円安の寄与が大きい、買い越し基調も継続

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や共済年金などの「公的年金」が保有する株などリスク資産の保有が100兆円を超え、過去最高を更新した。トランプ相場と呼ばれる世界的な株高・金利上昇と円安が追い風となった格好だ。

  日本銀行が17日公表した資金循環統計によると、公的年金が保有する日本株の残高は昨年末に44兆2769億円、外国証券も61兆7745億円と、それぞれ過去最高を記録。昨年6月末には両資産とも2014年末以来の水準まで残高が目減りしていたが、大幅な円安で為替換算額が膨らんだ。

ニューヨーク証券取引所のトレーダー

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  昨年10-12月期に公的年金は日本株を564億円買い越した。買い越しは2四半期ぶり。外国証券は2594億円と2四半期連続で買い越した。同統計の公的年金はGPIFや国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、年金特別会計などからなる。

  半面、国債・財融債は5893億円の売り越しだ。売り越しは14四半期連続。昨年末の保有残高は49兆2160億円と2四半期連続で減り、04年6月以来の低水準となった。昨年前半は日本銀行のマイナス金利政策を受けた金利低下で残高が増えたものの、7-9月期から減少基調に戻っている。

 

トランプ米大統領

Photographer: Olivier Douliery/Pool via Bloomberg

  トランプ政権の景気対策効果を見込んで昨年11月から顕著になった世界的な株高と金利上昇は円安圧力ともなり、公的年金などの日本の機関投資家の運用環境を大きく変えた。株高と円安がリスク性資産の評価額を押し上げた半面、金利の急上昇は債券には逆風となった。
  
   
  GPIFは14年10月に国内債の目標値を60%から35%に下げ、内外株式は12%ずつから25%ずつに、外債は11%から15%へ変更。期待収益率は高いが価格変動も大きいリスク資産を増やしたため、世界的な株価の騰落や円相場の影響を受けやすくなっている。昨年10-12月期は収益額が約10.5兆円、年末の運用資産残高は144.8兆円とともに過去最高を記録した。

  資産運用に関しては、公務員や大学関係者らが加入する3共済も15年10月からGPIFに追随している。運用目標やリスク管理をGPIFと一元化している積立金が合計で約28.5兆円あり、地共済と私学共済は独自の判断で運用する資金の大半に当たる約22.5兆円にも同じ資産構成の目標値を採用。3共済による資産構成の変更が済めば、合計約50.9兆円がGPIFと似通った運用成績になる見通しだ。

  TOPIXは昨年末に1518.61と9月末から14.8%、MSCIコクサイ指数は円換算で16.9%上昇した。米国債の10年物利回りは0.85ポイント高い2.44%で、上昇幅は09年4-6月期以来の大きさとなった。円の対ドル相場は1ドル=116円96銭と15円61銭下落で、データでさかのぼれる1987年以降で最大の下げとなった。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは0.40%と約0.13ポイント上昇した。

  日銀が発表した今回の統計によると、国債・財融債と国庫短期証券を合わせた「国債等」の残高は昨年末に1076兆円だった。公的年金は全体の4.58%を保有。構成比は3カ月前から0.1%ポイント低下した。

  日銀は7-9月期までの確報値も発表。公的年金による国債・財融債の売り越し規模は速報時点の3664億円から4850億円に、対外証券投資の買い越しは1351億円から2130億円に遡及修正した。日本株は122億円の買い越しから76億円の売り越しに変わった。

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