17日の東京株式相場は反落。為替市場でドル高・円安方向への動きが鈍いほか、20カ国・地域(G20)会合の不透明感、森友学園問題をめぐる国内の政治リスクを警戒する売りが優勢だった。輸送用機器など輸出株や海運株、電力や不動産など内需株と幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比6.84ポイント(0.4%)安の1565.85、日経平均株価は68円55銭(0.3%)安の1万9521円59銭。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、「日米の金融政策会合やオランダ総選挙などイベントを波乱なく通過すれば、相場は強含み、日経平均はいったん2万円を目指すとみていたが、まだあく抜け感は出ていない」と指摘。また、米国の景気刺激策をめぐり共和党内で不協和音が出ている点に触れ、「トランプ政権に対する先行き不安から米インフレ期待が高まらず、円安も進まないと警戒されている」と話した。

東証外観
東証外観
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  きょうのドル・円は、1ドル=113円20ー40銭台と前日の日本株終値時点113円30銭に対し横ばい圏で推移した。ドルは10日に付けた115円51銭を直近高値に、今週は上値の重い状況が続いている。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、「G20で米国はドルや国境税、グローバル通商政策に対し一定の見解を求められるとみられる。内容次第で円高に振れる可能性がある」と言う。

  17日にドイツのバーデンバーデンで始まるG20財務相・中央銀行総裁会議を前に、ドイツが米国へ配慮し提案した自由貿易の文言に関する譲歩案について、一部参加国が拒否した。

  為替動向やG20への懸念に加え、前日の米国株、国際原油市況の軟調もあり、きょうの日本株は朝方から売りが先行。日経平均は一時100円以上下げた。国内の政治リスクが意識された点も相場の足かせ。学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる問題で、同学園の籠池泰典氏が安倍晋三首相からの寄付金が入っていると述べたことを受け、衆院予算委員会は23日に籠池氏の証人喚問を行う。

  菅義偉官房長官は17日の閣議後会見で、安倍事務所を通じ確認を取った結果、首相夫人は個人としても森友への寄付は行っていないと述べた。三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、万が一の話だが、仮に「政権交代ということになれば、アベノミクスという言葉自体が消滅する。アベノミクスの逆なら、円高・株安の発想が起きやすい」としている。

  ただし、3連休前の事情もあり、下値を売り込む動きもみられず、主要株価指数は下げ渋った。岡三証券投資戦略部の山本信一シニアストラテジストは、「米国のファンダメンタルズが良好」な点を挙げた。米商務省が16日に発表した2月の住宅着工件数は4カ月ぶりの高水準、週間の新規失業保険申請件数も前週比2000件減少した。

  東証1部33業種は海運や石油・石炭製品、電気・ガス、不動産、医薬品、輸送用機器など29業種が下落。その他製品、パルプ・紙、証券・商品先物取引、金属製品の4業種は上昇。東証1部の売買高は20億1361万株、売買代金は2兆4595億円。代金は前日から14%増えた。

  売買代金上位では、アステラス製薬や富士重工業、日立製作所、オリックス、マツダ、東ソー、アイシン精機が安い。半面、経営再建に公的資金案と17日付の日本経済新聞朝刊が報じた東芝は高い。中国のロボドリル受注の急回復は株価にポジティブとクレディ・スイス証券が指摘したファナックのほか、米紙ウォールストリート・ジャーナルが需要好調の新型ゲーム機の来期生産計画を2倍以上に引き上げると報じた任天堂も高い。

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