欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが下げ渋り、米財務長官が長期的に強いドルを支持

  16日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下げ渋る展開。ムニューシン米財務長官はドルの長期的な強さについて、米経済にとって最大の利益であり、世界の基軸通貨としての信頼を反映しているとの見解をあらためて示した。

  新たな材料がなく、ドルは主要通貨に対して高安まちまち。前日は連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策見通しが予想ほどタカ派的でなかったために下落し、週間でも3週間ぶりに下げる勢いだ。ユーロは午後に上昇した。欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オーストリア中央銀行のノボトニ-総裁が債券購入プログラムを終了させる前に利上げに踏み切る可能性に言及したことがユーロ買いを誘った。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.1%安い1ドル=113円31銭。対ユーロでは0.3%下落の1ユーロ=1.0766ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%低下の1229.07。

  市場は現在、年内の利上げを1.5回分、2018年については2回の利上げを織り込んでいる。一方、FOMC参加者が示した金利予測では今年、来年とも3回ずつの利上げを想定している。

  ムニューシン長官はベルリンでショイブレ独財務相と記者会見に臨み、「短期的にドルの強さは問題を生み出し、害になる可能性があるが、私が注目しているのはドルの長期的な観点で、世界の安定した基軸通貨としての重要性だ」と話した。

  ポンドは対ドルで一時0.7%上昇し、1ポンド=1.2377ドルを付けた。イングランド銀行の金融政策委員会(MPC)でフォーブス委員が利上げを主張し、他の委員も意見をそれほど異にしない可能性があることからポンド買いが入った。

  米労働省が16日発表した3月11日終了週の米新規週間失業保険申請件数は、前週比2000件減の24万1000件だった。
原題:Dollar Pares Loss as Mnuchin Says Long-Term Strength Is ‘Good’(抜粋) 

◎米国株:反落、FOMCによる騰勢失う-ヘルスケア関連が安い

  16日の米国株は反落。米金融政策当局は前日、利上げを実施したが、先行きについては従来通りの緩やかなペースの利上げ予測を維持した。金融当局のハト派的な姿勢で値上がりした後、この日はその一部に巻き戻しが見られた。公益事業とヘルスケア関連銘柄が売られた。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%低下して2381.38と、前日の騰勢が失われた。ダウ工業株30種平均は15.55ドル下げて20934.55ドル。

  この日は金融株が0.3%高。テクノロジー関連も買いを集めた。S&P500種の取引でテクノロジー銘柄は20%を占め、オラクル株の取引は全体の3.6%に上った。同社の株価は6.2%高を記録。2016年12月-17年2月(第3四半期)にクラウド事業の売上高が62%伸びたことが買い材料だった。

  市場で織り込まれている6月までの追加利上げの確率は約50%。

  朝方発表された2月の米住宅着工件数は4カ月ぶり高水準に増加した。また週間新規失業保険申請件数は2000件減少して24万1000件。3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は32.8に低下した。
原題:U.S. Stocks Decline With Health Care; Europe Shares End Higher(抜粋)
Post-Fed Trades Fade as U.S. Stocks, Bonds Retreat: Market Wrap(抜粋)  

◎米国債:下落、欧州債に連れ安-ECB当局者発言が終盤の重しに

  16日の米国債相場は下落。この日はイングランド銀行(英中央銀行)が利上げに近づいたとの見方から英国債が急落。またオランダ下院選の情勢判明で不透明感が後退したことを背景にユーロ圏の中核国の債券も値下がり。そうした中で米国債も売られる展開となった。また欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、オーストリア中央銀行のノボトニ-総裁の発言も米国債には下押し圧力となった。

  15日投開票のオランダ下院選では、ルッテ首相率いる自由民主党(VVD)が反イスラムを掲げるウィルダース党首の極右・自由党(PVV)を抑えて、第1党の座を維持した。

  ノボトニー総裁はECBの預金金利について、主要政策金利より先に引き上げることも可能との認識を示した。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.54%。前日は米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の向こう2年間における追加利上げの予測中央値が前回から変わらなかったことに反応し、約11bp下げていた。  

  ゴールドマン・サックスは10年債利回りについて、年末までに3%に達する軌道を外れていないと指摘。「循環的な上向きの基調の継続や、米当局の緩やかな引き締め」を理由に挙げた。

  投資適格級の社債発行は2日間の減速後、再び活発になった。この日はウィンダム・ワールドワイドや豪センター・グループなどが10年物を発行した。
原題:Treasuries Pare Fed-Fueled Gains, Late Bund Selloff Weighs(抜粋)

◎NY金:上昇、イエレンFRB議長が緩やかな利上げ軌道を再確認

  16日のニューヨーク金先物相場は上昇。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、緩和解除のペースは変わらないと再確認したことから、安心感が広がった。

  シンク・マーケッツUKの主席市場アナリスト、ナイーム・ アスラム氏は、「今年3回の利上げは既に価格に織り込まれており、これは当社の基本シナリオだ」と指摘。「貴金属に関して言えば、ショートを維持するのは得策ではないかもしれない」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比2.2%高の1オンス=1227.10ドルで終了。中心限月としては昨年6月24日以来の大幅上昇となった。

  銀先物は2カ月ぶりの大幅高。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウム先物も値上がりした。
原題:Gold Party Back On as Yellen Assures Market of Gradual Rate Path(抜粋)

◎NY原油:小反落、米在庫減少後もなお供給超過の不安根強く

  16日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が小反落。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、世界的な在庫水準の高さに懸念を表明した。前日には米国の石油在庫が先週、今年初めて減少したことが統計で示された。

  プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の市場担当シニアアナリスト、フィル・フリン氏は電話インタビューで、「商用在庫は減ったが、それでも在庫水準は極めて高いことを市場はなかなか振り切れずにいる」と話した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比11セント(0.23%)安い1バレル=48.75ドルで終了。日中高値は49.62ドル、安値は48.45ドルで、出来高は100日平均を約12%上回った。ロンドンICEの北海ブレント5月限は7セント安い51.74ドルとなった。
原題:Crude Near $49 as Glut Worries Persist After U.S. Supply Drop(抜粋)

◎欧州株:1年3カ月ぶり高値-米金利見通しとオランダ下院選挙を好感

  16日の欧州株式相場は上昇し、指標のストックス欧州600指数は1年3カ月ぶり高値を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が将来の利上げ見通しを早めることなく利上げに踏み切ったほか、オランダ下院選挙でポピュリスト(大衆迎合主義)政党の獲得議席が予想を下回ったことから、安心感が広がった。

  ストックス600は前日比0.7%高の377.73で終了。これは2週間ぶりの大きな上げ。この日は景気動向に敏感な銘柄を中心に買われた。オランダのAEX指数は0.6%上昇し、2007年12月以来の高値で引けた。

  フランス大統領選を控える中、政治の不透明感が今年に入ってから市場の懸念材料となっている。オッズチェッカーがまとめたブックメーカーのオッズに基づくデータによれば、反イスラムで極右のオランダ自由党(PVV)が第2党にとどまった結果を受け、フランス大統領選でルペン国民戦線(FN)党首が勝利する確率は後退した。

  アクセンド・マーケッツのアナリストを務めるマイク・ファンデュルケン、ヘンリー・クロフト両氏はリポートで、「今後行われるフランスとドイツの選挙ではポピュリストがそれほど伸長しない一方、米国での刺激策拡大が同国の経済成長と金融当局の政策正常化を支え、これが世界経済を後押しする可能性を考えることが可能となった」と指摘した。

  米金融当局の政策判断を受けて金属価格が値上がりし、ストックス600を構成する鉱業株指数が3.3%上昇。原油高を背景に石油・ガス株も買われた。銀行株も大きく上げた。

  個別銘柄では、ドイツのルフトハンザ航空が5.2%上昇。2017年売上高が前年実績を大きく上回るとの見通しが買い材料。フランスの自動車メーカー、ルノーは3.4%値下がり。排ガス試験で不正を働き、これに幹部も関与していた疑いがあると報道され、罰金支払いを余儀なくされることへの警戒感が広がった。
原題:European Stocks Close at 15-Month High on Fed Hike, Dutch Vote(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が下落-オランダ選挙結果で不透明性が後退

  16日の欧州債市場では、オランダ下院選挙の情勢判明で不透明感が後退したことを背景に、ドイツ国債が下落。フランス国債は朝方に値上がりしたものの、買いが続かずに下げた。トレーダーによればオランダの選挙結果で中核国でのリスクヘッジを再考する動きが広がり、ドイツ国債の2年物と5年物の利回りは3bp上昇。
  イタリア国債はフランス国債とともに大きく上下動。10年債利回りは約5bp上げた。

  英国債はドイツ国債を下回るパフォーマンス。イングランド銀行の金融政策決定会合でフォーブス委員が利上げを主張したほか、一部メンバーも上向きのニュースがあればより早期の景気支援策縮小が正当化される可能性があると示唆した。
原題:Bunds Slide on Dutch Risk Unwind; End-of-Day EGB Curves, Spreads(抜粋)

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