トランプ米大統領は16日に議会に提出する2018会計年度(17年10月-18年9月)予算教書で、国防・安全保障費を大幅増額するため、ほとんど全ての連邦省庁とプログラムを対象とする歴史的な大規模予算削減を提案する。

  同予算教書は国防総省と国土安全保障省の予算を大幅増額する一方で、1960年代に当時のリンドン・ジョンソン大統領が貧困対策などで導入した「偉大な社会」プログラムの多くを廃止ないし縮小する内容。これらプログラムについては、共和党が数十年前から予算削減を図ってきた。

  ライアン下院議長は16日声明を発表し、トランプ大統領の予算教書は8年間にわたるオバマ政権の後で「新たなページを開く」ものだとして歓迎を表明したが、個々の省庁の予算削減案について具体的に支持はしなかった。民主党のシューマー上院院内総務は「中産階級に壊滅的な打撃を与える」と批判。民主党は削減に「断固」抵抗するとともに、共和党にも反対を促すと述べた。

  特に大幅な予算削減が提案されるのは、トランプ大統領がしばしば批判してきた省庁やプログラムだ。国務省予算は国際援助や開発支援を中心に、16年度から28%減額され、環境保護局(EPA)は30%削減される。このほか、農業プログラムやクリーンエネルギー・プロジェクト、連邦研究費も削減の対象とされる。

  マルバニー行政管理予算局(OMB)局長は記者団に、「多くの省庁の予算が削られるだろう。トランプ大統領は政府の役割縮小や効率性向上、無駄で重複したプログラムの廃止を目指している」と説明。「大統領が選挙戦中に公約したものは予算教書に盛り込まれるだろう」と述べた。

  マルバニー局長は16日、米ニュース専門局MSNBCに対し、予算チームはトランプ大統領が選挙戦で掲げた公約に耳を傾け、「大統領の言葉、政策を実際の数字にした。トランプ大統領に投票した有権者は期待通りの結果を見ることができる」と続けた。

  ライアン議長は「共和党はトランプ政権と協力して、政府の規模縮小と景気拡大、国境の安全を強化するほか、米軍が使命を完遂するために必要とする手段をすべて確保することに努める。歳出委員会はじめ議会での審議を楽しみにしている」述べた。

  トランプ大統領が提案する1兆1500億ドル(約130兆円)規模の18会計年度裁量的経費は共和・民主両党議員の強い反発を招くことは確実だ。民主党の強硬な反対に加え、共和党のマコネル上院院内総務ら首脳が既に一部省庁の予算削減に異議を唱えている。

  予算教書では9つの省が11-29%の削減を提案されている。各省に提案された削減規模は厚生省が195億ドル、国務省が108億ドル、労働省が26億ドル、農務省が73億ドル。これら4省はいずれも16年度比で20%超減額となっている。

  これに対し、国防総省予算は16年度比10%の523億ドル増額で、国土安全保障省は7%強の30億ドルの増額とされる。

原題:Trump Plans Historic Cuts Across Government to Fund Defense (2)(抜粋)

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