米連邦公開市場委員会(FOMC)は14、15 両日に定例会合を開き、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25ポイント引き上げ、0.75-1%のレンジに設定した。声明ではインフレ率が目標に近づいているため警戒を強めていることを示唆したが、参加者の予測中央値は年内あと2回の追加利上げ想定しており、前回と変わらなかった。

  これについて市場関係者らは以下のようにコメントした。

◎ING銀行(ロブ・カーネル氏がリポートで指摘)

  • FOMC参加者によるドット・プロット中央値は安定的だったが、「中央値に集約される予想が増えた」のは顕著なことだ
  • ドットの移行によって2017、18両年の「中央値が一段と高めとなる方向に近づいた」
  • これを踏まえると、「市場は米金融当局がややタカ派色を強めつつある一部の証拠を目にするかもしれない」
  • 市場の反応を見ると債券利回りが低下し株価は上げており、「多少の説明が必要」だろう。「これら市場の一つは一定の段階で反転する公算が大きい」と考えられる

◎米国みずほ証券(スティーブン・リチュート氏がリポートで指摘)

  • 今回の米利上げは「将来的に誤りだったと見なされるだろう」。米金融当局は利上げを急ぎ、マクロ見通しを変更しないまま、そのように行動した
  • FOMCの予想のトーンは「やや弱気」に転じた。
  • 「市場は割高で、一段とそうなっている」

◎サボス・インベストメンツ(ジェイソン・トーマス氏とのインタビ ュー)

  • 日中取引ではドル売りが出たものの、ドルには長期的に「上昇圧力」が見込まれる
  • 米経済が力強さを増し、金利が上昇に向かうことがドル相場を支えるだろう

◎BMOキャピタル・マーケッツ(マイケル・グレゴリー氏がリポー トで指摘)

  • 米金融当局は昨年12月に設定したのと同じ軌道上にあると見受けられる
  • 米大統領選後の金融市場での楽観論や企業・消費者の信頼感の高まりが、実体的な経済活動にどのように反映されるか見極めようとしている
  • 潜在的に拡張的な財政政策や政 府のその他の施策が講じられるのを注視している

◎債券弱気派は敗北、FOMCが緩やかな利上げ方針堅持で-キャメロン・クライス氏

  • 市場がFOMCにどう備えていたかを考えると、今回の結果は明らかにハト派的だ。債券のショートやドル・ロングのポジションには問題かもしれないが、商品や新興市場などのリスク資産の先行きは比較的明るく見える
  • ブルームバーグに寄稿するマクロストラテジスト、キャメロン・クライス氏が指摘した
  • 債券市場はFOMCが今回、名目成長率とFF金利誘導目標の予想を引き上げると見込んでいた。FOMCはわずかな修正を加えたが、債券弱気派が期待していたよりも小幅な修正だった
  • 声明はインフレ目標は「対称的」と強調したことで若干ハト派色を伴うものとなった。コアPCEが2%を上回っても矢継ぎ早の利上げを必ずしも促さないことを暗示するものであり、債券市場の投機家が聞きたかった内容ではない

◎FOMCはタカ派的でなかった、ドルには調整余地-三菱東京UFJ銀

  • 経済調査室の栗原浩史チーフ米国エコノミスト(ニューヨーク在勤)が語った。
  • FOMCは思ったよりタカ派的ではなかった。政策金利の見通しがほとんど変化なかった。3月は急いで利上げをするような感じだったため、今までと違う、タカ派的になるのではないかという感じがあったが、実際には従来と同じだった
  • 今年の中央値が明確に3回から4回に増えるかどうかは別として、分布としては利上げ回数を多くする方にもう少し増えると思っていた
  • 指標も良好で、金融環境も悪くないということで3月にしたというだけではないか。FOMCのスタンスに恐らく変化はない。
  • ドルは調整が少し進む可能性も。足元のドルの水準はまだ高いため、どちらかというと下方向に行きやすい
  • これからは貿易関連の話題が増えてきそうだという気もしていて、そういう流れの中で、なかなかドル高というふうにマーケットは行きづらいのではないか

◎FOMCの利上げペース大幅加速へ、18年までに計7回も-フィッチ

  • 米金融当局によるFF金利0.75%-1%への引き上げは利上げペースの大きな加速を意味すると、フィッチが文書で指摘した。
  • 米金利は長期的には高めで落ち着く可能性。2017年と18年で計7回の利上げもあり得る。一連の利上げ後は2.5%に到達もある
  • こうした金融政策により、17年と18年の経済成長率が0.3ポイント上積みできる。17年のGDP伸び率は2.3%、18年は2.6%へ。
  • 利上げペース加速は経済成長のリスクにならない。
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