スティーブン・A・コーエン氏は自身の「直感」に頼ることで富を築いたが、今は新しい方法を実験している。同氏のファミリーオフィスで働くすご腕の運用者の思考をモデル化することで、彼らと同じ決定をコンピューターに自動的に行わせようというものだ。

  110億ドル(約1兆2600億円)に上る同氏の資産を運用するポイント72・アセット・マネジメントは同社のポートフォリオマネジャーによる大量の取引データを解析し、彼らの取引を模倣するモデルを作って試している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  金融の世界を席巻している自動化の波は当初、日常の定型的業務に限られていたが、業界でも高い報酬を得る運用の分野にまで及んできた。昨年の年間成績が過去2番目に悪かったコーエン氏だが、ヘッジファンド業界への返り咲きを視野にこの取り組みを進めている。業界の人材不足に平然と言及するコーエン氏は、ここ1年ほど自動化プロジェクトに注力していると、事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べた。

  関係者の1人によると、同プロジェクトではポジションの規模、リスクとレバレッジの水準、ヘッジの有無など取引の「DNA」を検証する。取引のタイミングと価格設定、市場の流動性、運用者がそのポジションを構築するのに要した期間も考慮に入れる。

  こうした分析に基づいてパターンと関連性を特定し、運用者の取引の模倣を試みる。運用者に代わって証券会社に売買の注文を出す執行担当者の業務の自動化についても実験しているという。

原題:Steve Cohen Said to Eye Computers to Model Top Traders’ Thinking(抜粋)

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