米原子力事業で巨額損失を抱えた東芝は15日、取引銀行に4月末までの既存融資の延長を要請。三井住友銀行みずほ銀行三井住友信託銀行の主要取引銀行は、引き続き支援する方針を表明した。2度にわたる決算発表延期や原発事業での損失拡大懸念を背景に、一部金融機関からは慎重論も出たという。

  複数の関係者によると、東芝は取引金融機関の融資担当者を都内の本社に集め、昨年4-12月期決算発表が再延期になった経緯を説明。東芝は協調融資に対し、新たにグループ会社の株式や不動産を担保に差し入れることを提案した。

  地銀協の中西勝則会長(静岡銀行頭取)は15日の会見で、決算発表を再延期した東芝への支援について、「判断材料が少なすぎる」と述べた。その上で「半導体や原子力など現在の立て直し対応を見たい」などと指摘した。

  東芝は米原発事業で7000億円超の損失が発生。損失懸念が表面化した1月以降、融資延長を要請しており今回で3回目。原発事業での損失を理由に一部格付け会社は東芝を投機的等級に格下げており、融資条件の財務制限条項に抵触しているが、主力行は東芝によるメモリ事業の売却などを前提に支援姿勢を維持している。

  東芝の発表によると、16年3月末の借入額は、みずほ銀行1834億円、三井住友銀行が1768億円、三井住友信託銀行が1310億円、三菱東京UFJ銀行が1112億円。このほか手元資金確保のため数千億円のコミットメントライン契約などがある。

  東芝株は16日、前日終値(189.5円)を挟み、1.4%高から3%安まで上下するなど方向感のない展開となっている。出来高は約7000万株と東証1部市場でトップ。2位のみずほフィナンシャルグループの3倍近くに膨らんでいる。

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