このヘッジファンドは、わずか1日先のことしか考えていない。

  ロンドンを拠点とするルーンストーン・キャピタル・ファンドが運用する「アブソリュート・リターン・ファンド」(運用資産額は1700万ドル=約19億5200万円)は、2016年にプラス30%の運用成績を残した。ルーンストーンは、米株指数のボラティリティーを取引対象とするクオンツモデル開発のために700余りの変数を高速処理している。

  同社の創業者でポートフォリオマネジャーを務めるルーン・マドセン氏は13日のインタビューで、「長期のボラティリティー予測は完全に一貫性を欠くことになり、われわれは1日という視界の範囲で取引を行う」と語った。

  マドセン氏によれば、アブソリュート・リターン・ファンドは20%を上回る平均年間リターンを目指し、1日のボラティリティー(変動性)が上昇するか、低下するかいずれかの方向に賭ける投資を行う。昨年のリターンはプラス30%で、運用資産のピークと底を比較した目減りの割合は最大5.2%だった。

  株価の着実な上昇を背景にシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は低下傾向にあり、14日時点で12前後と過去5年平均(15.5 )を下回る水準。ボラティリティーが低い状況で、マドセン氏(42)が運用するファンドの今年1、2月のリターンはプラス1.4 %にとどまった。だが、ボラティリティーが高まればより高い平均リターンが見込めるため、市場の下落局面でのヘッジ手段として有効だ。

  マドセン氏は「リスクの種類の異なる資産クラスをそろえることで、ポートフォリオの強力な分散効果が実現すると考えられる。損益の動きは内在する価値に影響しない」と話している。

原題:Hedge Fund Sees 30% Gain by Betting Only on Tomorrow, Literally(抜粋)

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