対北朝鮮で新たなアプローチ探る-アジア歴訪のティラーソン長官

更新日時
  • ティラーソン米国務長官は15日から日韓中を訪問
  • 日本では米政府のアジア重視継続を伝える見込み-TPP離脱表明後

ティラーソン米国務長官は15日、就任後初めてとなるアジア歴訪を始める。ここ四半世紀にわたり米国を悩ましている北朝鮮とその核問題に対する新たなアプローチ模索が最大のテーマとなる。

  北朝鮮が最近の弾道ミサイル発射でその性能の向上を示したことから、同長官による日韓中訪問の緊急性は高まっている。米石油会社エクソンモービルに約40年在籍し同社トップからトランプ政権入りしたティラーソン長官は、これまで百戦錬磨の外交官が達成できなかった問題の解決に向け、部外者の視点と民間企業で鍛えた交渉手腕によって目新しい貢献ができるかどうかを見極めることになる。

  米スタンフォード大学のジークフリート・ヘッカー教授(物理学)は、「米政府がまだ危機ではないと認識していることが、劇的な政策変更が採用されていない理由の一端だ。もし北朝鮮が核搭載ミサイルを米国本土まで到達させる能力を持っているとすれば、劇的な変化があるだろう」と指摘。その上で、北朝鮮はすでに最大で核兵器25個分に相当する核物質を保有していると推計する同教授は、「危機は今ここにある」と述べた。

  2カ月足らず前に就任したティラーソン長官にとって、アジアを巡る課題は北朝鮮だけではない。東京では日本が大きく関与している環太平洋連携協定(TPP)からの離脱表明後も米政府はアジアを引き続き重視している姿勢を示し、ソウルでは大統領の弾劾・失職で混乱が続く韓国への支援を表明する。北京では貿易戦争も辞さないとのトランプ大統領の姿勢に対する中国側の懸念を和らげるとともに、南シナ海における中国の主張に立ち向かうことになる。

  ティラーソン長官はまず最初に日本を訪れ安倍晋三首相らと会談し、その後、韓国と中国に向かう。

  韓国外務省の趙俊赫報道官は記者説明会で、北朝鮮の脅威に対する日米韓3カ国の協調対応にとってティラーソン長官の日韓訪問は「重要なターニングポイント」になるだろうと述べた。

原題:Tillerson Finds Asia Debut Dominated by North Korea’s Missiles(抜粋)

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