コマツの大橋徹二社長は13日、ブルームバーグとのインタビューで、回復傾向にある中国の建設機械の需要について9月までは前年同月を上回る水準が続くとの見方を示した。現地では公共投資を中心とした工事の件数が増えており、金額の規模も拡大しているという。

  「久しぶりに盛り上がっている感じだ」-。大橋社長は、年間で最大の需要期として注目していた中国の春節(旧正月)明けの建機需要をこう振り返った。かつては年間需要の4割が春節明けの時期に集中していたが、この2ー3年はその比率が落ちていたという。

大橋徹二社長
大橋徹二社長
Photographer: Ko Sasaki/Bloomberg

  2月の外資系メーカー全体の油圧ショベル需要は前年同月比3.7倍と9カ月連続で増加。今年の春節連休は1月下旬からと昨年よりも10日早く始まったことで2月の販売が増えた影響もあるが、1月と2月の累計でも前年同期比2.9倍の水準と「2カ月を合算しても強かった」という。今年は年後半に5年に1度の共産党大会を控えており「9月までは公共投資が強いだろうというのが中国国内での大方の見方で、実際に工事が動いている」と述べた。

  中国の建機需要はピーク時の2010年度には年間10万台超に達した。しかし、景気鈍化の影響もあり15年度はピーク時の5分の1となる2万台程度の水準にまで落ち込んだ。当局の認可が下りても実際には工事が進まない状況が過去4年程度続いていたというが、昨年8、9月ごろからは1件当たり1000万元(約1億6600万円)以上の大型工事も増えてきたと変化を感じている。

欧州景気などリスク要因

  一方、中国国内で上昇した不動産価格や、中国の主要輸出先である欧州の景気動向などがリスク要因と指摘。財政支出を伴う公共投資の拡大が「長続きするとは思っていない」として、10月以降も中国の建機需要が強い基調を維持するかどうかについては慎重な見方を示した。

  中長期的な見通しについては「4兆元規模の景気刺激策の影響があったかつての10万台の水準にまでは戻らないだろう。3万-4万台がいいところではないか」と述べた。それでも「長期的に見ればインフラはまだまだ整備しなければならず、建機需要はある」と語った。

  トランプ大統領が表明した1兆ドル(約115兆円)規模のインフラ投資による建機需要への影響については、「まだ予算の裏付けがない」と指摘。「10年間で1兆ドルのインフラ投資は大きな話だが、財源がはっきりしていない中でどこまでいけるのか」として、どのような予算スキームを組み立てるのかに注目している。

  このほど米ラスベガスで行った販売代理店を集めた会議では、トランプ政権への期待から出席者の雰囲気は一様に明るかったことが印象的だったという。「米国第一主義」を掲げるトランプ大統領は円安で輸出攻勢をかける日本を批判していたが、コマツは米国工場から鉱山機械などをカナダや中南米向けにも販売しており、「米国にとってコマツは輸出企業」とも指摘した。

  鉱山向け機械の需要回復については「石炭や銅の価格は上昇したと思ったら下がってきた。原油価格の動向もまだ分からない」として、「資源会社の財布のひもはまだ固い。17年度の後半に回復の兆しが出てくればうれしいが、実際には18年度以降になる。17年度は16年度比で横ばいになれば御の字」との見方を示した。

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