東芝:米WHの売却検討、原発リスク遮断へ、決算発表は再延期

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  • 綱川社長、会見冒頭に陳謝、内部管理確認書は15日に東証提出へ
  • 決算再延期でガバナンスに疑問の声-「問題続出、印象良くない」

原発事業で巨額損失を抱えた東芝は14日、損失発生リスクの残る米原発子会社ウエスチングハウス(WH)の売却検討を含む経営再建への基本方針を発表した。債務超過の解消に向けメモリ事業の過半や非中核事業の売却を引き続き柱に据えた。内部管理体制の改善確認書は15日に東京証券取引所に提出する。

  東芝はこれに先立ち、昨年4ー12月決算(四半期報告書)の提出期限の再延長を申請、関東財務局から4月11日までの延期で承認を受けた。発表によると、前回の延期理由となった米原発事業の内部統制問題の調査や監査法人による評価などで、さらに4週間程度の時間が必要となった。同四半期以外の決算期も追加で調査する。

  東芝は米原発事業の損失に絡んだ問題で四半期決算を2回続けて延期する事態に追い込まれた。綱川智社長は都内の本社で記者会見し、「株主や関係者におわびしたい」と陳謝。主力のメモリ事業の売却などで財務を改善し、原発リスクを遮断しながら「社会インフラ事業を核とした新生東芝」として再度成長を目指すと述べた。

  2月14日に発表した暫定決算では、WHが買収した原発建設会社ののれん拡大を中心に7125億円の減損を計上し、今期末は1500億円の債務超過に陥る見通し。買収に関連しWH経営者による不適切な圧力があったとの内部通報があり、決算に影響する可能性もあるとして調査している。今後は監査法人の承認を得れば発表する。

内部管理体制

  東芝は米原発事業の再編に向け、アドバイザー役としてPJTパートナーズアリックスパートナーズを起用。こうした中、麻生太郎金融担当相は10日の会見で、東芝にWHへの米破産法11条適用申請を早期に決めるよう促す趣旨の発言をした。基本方針で東芝はWH株の過半の売却による非連結化を含め再編を加速するとした。

  モーニングスターの伊藤和典アナリストは決算延期を受け、「また数千億円の損失が出てくるのではないか」など、投資家には上場存続への懸念も生じていると指摘。東芝はすでに内部管理体制の改善を義務づけられた特設注意市場銘柄で、「改善せず次々にこうした問題が出てくるのは非常に印象が良くない」と述べた。

  このほか東芝は再建に向けた基本方針の中で、分離を目指すメモリ事業とWHを除いた社会インフラ事業などの2019年度売上高を16年度比6%増の4兆2000億円、営業利益を同48%増の2100億円と試算。メモリ事業売却で資金収支を黒字化でき、設備投資は同事業の分社化で大幅に減ると見通した。

  東芝は現在、過去の不正会計問題をめぐり、内部統制(コンプライアンス)体制に問題のある企業として上場存続が問われる企業が指定される特設注意銘柄となった。指定から1年6カ月が経過する15日以降の確認書提出が求められている。東証は同日、東芝を「監理銘柄」に指定。改善が不十分と判断すれば上場廃止が決まる。

  基本方針では内部管理体制の改善状況も示した。実施済みの過半数を社外取締役にすることに加え、グローバル経営管理の強化やコンプライアンス違反に対する厳格な社内処分の実施なども盛り込んだ。綱川社長は会見でこれまでに内部管理体制は改善してきたとし、「上場廃止にならないように努力したい」と述べた。

  東芝の14日の株価は一時前日比8.8%安の196.1円まで下落したが、午後の時間帯で急速に持ち直し同0.5%高の215.9円で取引を終了した。今期末が現在の東芝の見通し通り債務超過となれば、東証第2部市場への降格が確実になる。

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