15日の東京株式相場は続落。国際原油市況が3カ月半ぶりの安値を付け、収益期待の後退で石油や鉱業株が売られた。H形鋼在庫率の上昇が懸念された鉄鋼株も安く、個別では東京証券取引所から監理銘柄に指定された東芝が急落。為替の円安一服も相場全体の重しとなった。

  TOPIXの終値は前日比3.59ポイント(0.2%)安の1571.31、日経平均株価は32円12銭(0.2%)安の1万9577円38銭。

  ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「原油市況が弱く、米国の債券利回りが高まっていく雰囲気に乏しい」と指摘。為替も3月以降に米利上げペースの加速が急激に織り込まれ、連邦公開市場委員会(FOMC)後に「ドル高・円安に振れないリスクがある」とし、円安・日本株高を前提にしたポジションの巻き戻しが警戒されたと言う。

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Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  14日のニューヨーク原油先物は1.4%安の1バレル=47.72ドルと昨年11月以来の安値、サウジアラビアが2月に原油生産量を再び増やしたことが材料視された。同日の米国株はエネルギー関連中心に売られ、S&P500種株価指数は0.3%安と4日ぶりに反落。インフレ期待の後退で、米10年債利回りは2.6%と3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。

  SMBCフレンド証券投資情報部の中村晋二チーフストラテジストは、「原油は在庫減少期待の剥落で需要と供給の均衡点を探る動き。チャート上からは40ドルに接近もあり得る」とみる。

  きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=114円台後半と、前日夕に115円台前半で取引されていた状況からはドル安・円高水準で推移した。中村氏は、米国の利上げトレンドを背景に市場の基本シナリオはドル高・円安としながらも、15日のFOMC後に「新興国通貨や米ハイイールド債、REITの下落につながれば、むしろ円買いになる恐れ」を警戒していた。

  この日の日本株は、日経平均が午前の取引で一時100円以上下落。ただし、日米の金融政策を決める会合など重要イベントを前に一方的な売り圧力は限られ、世界的な景況感の改善を受けた先高観も強く、午後にかけては徐々に下げ渋った。FOMCでは政策金利の0.25%引き上げが確実視される半面、日本銀行の金融政策決定会合では政策の現状維持が見込まれている。15日投開票のオランダ総選挙は、極右・自由党の予想獲得議席数が大きく減少した。

  一方、ポジション調整の動きから、これまでの上昇基調が鮮明だった国内新興市場は売りに押され、マザーズ指数は3.4%安と急落、終値で昨年11月9日以来の下落率となった。指数寄与度の大きい指紋認証システムのディー・ディー・エスの急落が響き、前日に上場来高値を付けたペッパーフードサービスも、「いきなり!ステーキ」の既存店伸び率の鈍化が嫌気され大幅安。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「イベントを控えてポジションを手じまいたい投資家が多い中、DDS株の急落が投資家心理を揺さぶった」と言う。

  東証1部33業種は石油・石炭製品や電気・ガス、鉱業、鉄鋼、パルプ・紙、繊維、非鉄金属、電機など25業種が下落。鉄鋼は、新日鉄住金系の流通業者グループが公表したH型鋼在庫が大きく増加し、追加利上げの浸透は困難と野村証券などが指摘した。海運や保険、その他製品、輸送用機器、小売など8業種は上昇。

  売買代金上位では、監理銘柄指定の東芝が急反落。前日発表した経営再建への基本方針についても、内容に不透明感が強いと多くのアナリストらが指摘した。転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行で潜在的な1株価値の希薄化が嫌気された三菱ケミカルホールディングス、九州電力も安い。これに対し三菱重工業は連騰、セブン&アイ・ホールディングスやホンダ、塩野義製薬も高い。東証1部の売買高は16億5020万株、売買代金は1兆6772億円。代金は前日から5%強減り、3日連続で2兆円の大台を下回った。

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