日本との鉄鋼交渉も終盤に差し掛かった頃、ロバート・ライトハイザー氏は日本側から出された提案を気にもとめないかのように、提案書を紙飛行機に折って机の上で飛ばして見せた。

  数日後、日本側は米鉄鋼市場での日本シェアを削減することに同意。レーガン政権が1985年にまとめたこの合意に至る数週間、米通商代表部(USTR)次席代表だったライトハイザー氏は荒削りなジョークや見下した態度で日本側を困惑させたと、当時の同僚らは振り返る。日本側のプレゼンテーション中に、同氏はマイクの分解に専念する場面もあったという。

Robert Lighthizer
Robert Lighthizer
Source: Skadden

  30年以上が経過した現在、ライトハイザー氏は通商交渉の指揮を執るUSTR代表にドナルド・トランプ大統領に指名された。通商に対して厳しい姿勢を約束しているトランプ大統領は、米企業と労働者を守るためには輸入品への関税課税や世界貿易機関(WTO)のルール無視も辞さない意向を明らかにしている。

  1980年代にライトハイザー氏によってUSTRに雇用されたビル・ペリー氏(現在法律事務所ハリス・ブリッケンのパートナー)は、「彼はハンマー役だ」と語る。「交渉相手としては極めて手ごわい。自由貿易を信奉する人にとっては、彼は最も有望とも言える。法律の限界を知っているからだ」と述べた。

  ライトハイザー氏承認の是非を審議する上院公聴会は当初予定から延期され、ようやく14日に開かれる。延期された理由の一つには、同氏がかつて米国の通商係争で外国側の代理人を務めた経験がある。同氏は1991年に米国の扇風機メーカーとの係争で中国側に、1985年のエタノール輸入の問題ではブラジル側に立って争った。

原題:Trump’s Trade ‘Hammer’ Aims to Pound China, Mexico and the WTO(抜粋)

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