世界で最も一般的な仮想通貨ビットコインが最近値上がりしていることを目にしても、仮想通貨の認証に欠かせないインフラ技術であるブロックチェーンを巡る危機に気付かないかもしれない。

  ビットコイン取引の認証を待つ取引量は1年前の5倍余りとなっており、一部の利用者は認証を迅速に進めるために高額な手数料支払いを強いられている。ビザやペイパル・ホールディングスよりもビットコインを利用する方が高くつくケースもあるという。

  2年余り続くこの問題を解決するため、最も影響力のあるメンバーの中にはコンセンサスを得ることをあきらめ、論争の的となっている「ビットコイン・アンリミテッド」と呼ばれる解決策を支持する向きも出始めた。この賭けがうまくいけば、認証の渋滞が緩和され、正常化に役立つかもしれない。だが失敗すれば、ビットコインは2つの通貨に事実上分裂する恐れがある。

  ビットコインの新規発行に向けた一連の作業をマイニング(発掘)と呼ぶが、世界最大のマイニング団体アントプールを設立したウ・チハン氏は10日のインタビューで、「全体をビットコイン・アンリミテッドにスイッチする」と述べた。同氏のグループは、ブロックチェーン活動の15%を占め、業界で大きな影響力を持つ。同氏を支援しているのはビットコインの「 ジーザス(救世主)」として知られるロジャー・バー氏だ。

ロジャー・バー氏
ロジャー・バー氏
Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  バー氏は9日、東京都内でのインタビューで、「ビットコイン・アンリミテッドをアクティベートさせるためにはマイナー(採掘者)の60%もしくは70%の参画がわれわれには必要だ。他と合わせれば、現時点で既にわれわれのゴールまでの中間地点に近いといえよう」と語った。

  ビットコイン・アンリミテッドは基本的にブロックチェーンに対するソフトウエアアップグレードだ。ビットコイン創成期の開発者は処理可能なデータ量に上限を設けた。ネットワークをスローダウンさせるこのような上限は、システムに負荷をかける攻撃の可能性に備える必要な安全策と捉えられている。アンリミテッドの支持者は今や、ブロックチェーンはいかなる制約も不要な十分強固なシステムだと主張している。

原題:Bitcoin Miners Signal Revolt in Push to Fix Sluggish Blockchain(抜粋)

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