日銀:長期金利に「幅」が将来の選択肢、利上げや市場混乱時-関係者

  • 日銀は長短金利操作に自信、今週会合は現状維持-関係者
  • 現在の手段で市場混乱抑えられない場合はレンジ化が選択肢-関係者

日本銀行は将来的に、長期金利の誘導目標の引き上げや何らかのショックで市場が混乱した際、誘導目標に一定の幅(レンジ)を持たせることを検討している。複数の関係者への取材で分かった。

  複数の関係者によると、日銀は現在の市場環境では長短金利操作の継続に自信を持っており、レンジ化は将来的に、指し値オペや長期の固定金利の資金供給オペなど現時点で持つ手段で市場の混乱を抑えられない場合の選択肢となる。今週の金融政策決定会合は現状維持となる見込み。

  原油価格の反転や円安の影響で、物価上昇率が年内に1%に達するとの見方が強まっているが、物価の基調が着実に目標の2%に向かうかどうか不透明なため、日銀は長期金利の誘導目標引き上げには慎重に臨む構えだ。複数の関係者への取材によると、日銀は時期尚早の長期金利引き上げ観測が高まるのを避けるため、物価上昇率が上がり始めた段階で、長期金利を引き上げるための条件を示したガイダンス(指針)を明らかにするかどうか検討している。

  日銀は昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で、ターゲットとなる長期金利(10年物国債金利)を「0%程度」としている。15、16両日の決定会合についてエコノミスト41人を対象にブルームバーグが6-9日に行った調査では、全員が現状維持を予想した。
 

オペ回数減少で不安定化

  1月の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)はエネルギーの下落幅縮小を受けて、前年比0.1%上昇と2015年12月以来13カ月ぶりにプラスに転じた。ブルームバーグ調査では、黒田東彦総裁の任期の2018年4月までに長期金利の誘導目標を引き上げるとの予想は14人(34%)と3分の1を占めた。

  日銀が1月末に中期ゾーンの国債買い入れオペの回数を減らしたこともあり、10年物国債金利は2月3日に0.15%と約1年ぶりの水準に急騰するなど不安定化したが、2月末にオペ日程を事前に公表したことを受けて、市場は落ち着きを取り戻している。

  大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストはブルームバーグ調査で、日程の公表により「オペ実施の有無をめぐる市場の不透明感が後退するため市場との対話は改善に向かう」と評価。将来的に長期金利を0%に固定することが困難になれば、「誘導目標に一定の幅を持たせるなど、より柔軟な対応を取ることで、金融政策が市場に与える影響を最小化するような手法を検討する必要がある」としている。

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