世界遺産として知られ、1200年以上の古い歴史を持つ高野山で、今月から順次クレジットカードで拝観料やお守りの購入代金を決済できるようになる。急増する外国人観光客の利便性向上や混雑緩和が狙いだ。

  高野山真言宗・総本山金剛峯寺(和歌山県)は、米ITベンチャーのスクエアと提携し、カード決済の導入を決めた。資料によると、まず高野山の中心にある壇上伽藍の納経所で開始。観光客の増える5月の連休前には金剛峯寺など主な施設でも利用できるようにする方針だ。

高野山の中心にある壇上伽藍(高野山真言宗・総本山金剛峯寺提供)
高野山の中心にある壇上伽藍(高野山真言宗・総本山金剛峯寺提供)
高野山真言宗・総本山金剛峯寺提供

  国内で世界遺産に登録されている寺院の中で、拝観料へのカード決済導入例は初めて。政府は観光を成長産業と位置づけ、東京五輪が開催される2020年に訪日外国人観光客4000万人達成を掲げている。同時に観光ビジョンの中で、国際的に普及が遅れる神社仏閣を含めた主要観光地でのカード決済の完全導入を目指している。

  同寺財務部会計課の大谷重雄課長は、「集計や会計システムの手入力にかかっていた時間を有効利用できると期待している。本質の追求に役立つなら、テクノロジーは活用すべきだ」と述べた。日本政策投資銀行などの16年の調査によると、外国人旅行者の68%がカードなどが使えればもっと多くお金を使ったと回答している。

  スクエアはツイッターのジャック・ドーシー共同創業者兼最高経営責任者(CEO)が2009年に創業。専用端末は不要で小さなカード読み取り機をスマートフォンやタブレットPCにつなぐだけで決済できるサービスなどを提供している。高野山ではレジ機能に加え、在庫管理や売り上げ分析、従業員管理などでも同社のサービスを利用する計画という。

  高野山のウェブサイトによると、同寺は816年に空海(弘法大師)が開いた高野山真言宗の総本山で多くの史跡がある。和歌山県の調査によると、2015年の高野山の観光客推計は前年比40%増の約200万人だった。

  スクエアは米、日、豪、カナダで事業展開。15年11月時点で加盟店200万店超、16年の取扱高は前期比39%増の500億ドル。同様のサービスを提供する米ペイパルや日本のコイニー、楽天(楽天ペイ)などがライバルとなる。

  スクエアのドーシーCEOは高野山のサービス導入を受け、「スクエアファミリーへようこそ!われわれの技術を使えば、できたての会社も1200年の歴史を持つ寺院も、現金を持っていない顧客とのビジネス機会をもう逃すことはないでしょう」と電子メールでコメントした。

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