中国の李克強首相は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)のために各地から集まった代表団を北京に迎えた。開幕日の5日、李首相は政府活動報告で「わが国に青空を取り戻す」と表明し、相変わらず大気汚染に見舞われている国民に期待を抱かせた。

  だが研究者や環境保護活動家らは、首相の野心が現実のものとなるのにまだ10年以上かかると予測する。

  李首相が活動報告を読み上げた5日、北京の空は実際かなりきれいだった。微風があったほか、中国メディアが「全人代ブルー」と呼ぶ青空のおかげだ。全人代期間の10日間ほど、空気の比較的きれいな状況が続く。

  ポールソン研究所の調査担当アソシエートディレクター、アンダーズ・ホーブ氏は「空気の質改善が続いたとしても」、天候要因に加え、中国北部一帯で冬季の暖房用の石炭使用を減らすのが困難であることを挙げ、「北京や他の主要都市では冬場のひどい大気汚染が続く」との見方を示した。

  環境保護団体グリーンピース東アジアは、2013年から16年にかけての汚染減少ペースからすると、北京市民が青空を楽しめるようになるにはあと約10年必要だと指摘する。問題は北京だけではない。グリーンピースのデータによると、調査対象の366都市の約74%は大気の質が公式基準を満たしていない。

  李首相は大気汚染対策に取り組む構えだが、減速する景気の下支えと環境保護という両立の難しい目標を同時に追求しなければならず、状況は複雑だ。

原題:Beijing Still Years Away From Blue Skies Even With Improved Air(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE