欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで下落、雇用統計で大幅な伸びなく

  10日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで下落。2月の米雇用統計が高まっていた期待を上回るほどの内容を示さなかったため、ドル売りが優勢になった。欧州中央銀行(ECB)当局者らが債券購入プログラム終了前の利上げがあり得るかどうかを検討したと、事情に詳しい複数の当局者が明らかにしたことはユーロ買いを誘った。

  米労働省が発表した2月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比23万5000人増と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は20万人増を上回った。平均時給は前年比で2.8%増加した。市場では来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ポイントの利上げが決定するとの見方が強まった。
  
  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.1%下げて1ドル=114円79銭。ユーロに対しては0.9%下げて1ユーロ=1.0673ドルとなっている。    

  米ADPリサーチ・インスティテュートが8日に発表した民間部門の雇用統計で力強い雇用の伸びが示されたため、労働省発表の雇用統計でも同様のペースでの増加が期待されていた。スコシアバンクの外為ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は2月の雇用統計発表後にドルが下落したことについて、強い雇用統計が市場ですでに完全に織り込まれていたからだと指摘した。その上で同氏は3月のFOMCで利上げペースの加速を示唆する可能性があるため、「ドルはここから大きく下げることはないと思う」と語った。

  ユーロは主要10カ国(G10)通貨のうち1通貨を除く全てに対して上昇した。ECBのドラギ総裁は9日、政策決定後の記者会見で「ユーロ圏の経済見通しを取り巻くリスクは以前ほど顕著ではないが、依然として下方向に傾いている。主として世界的要因に左右される」と述べていた。
原題:Dollar Ekes Out Weekly Gain, Euro Sets Monthly High After Jobs(抜粋)
U.S. Stocks Rise, Dollar Falls as Data Back Hike: Markets Wrap(抜粋)

◎米国株:上昇、雇用統計受け順調な利上げ可能との見方

  10日の米株式相場は上昇。2月の雇用統計を受け、金融当局は順調な利上げが可能で、将来ペースの加速を迫られることはないとの見方が広がった。

  S&P500種株価指数は前日比0.3%高の2372.60。週間では0.4%安と、7週ぶりの下げとなった。ダウ工業株30種平均はこの日44.79ドル(0.2%)上げて20902.98ドル。

  BFTインベストメント・マネジャーのマイケル・アフラロ最高投資責任者(CIO)はインタビューで、米国株は先を行き過ぎており、近く調整が起きる可能性があると分析。「世界的なマクロ経済情勢が堅調なことに疑いの余地はないが、株式市場、特に米国株市場は完璧といえる水準にある。状況を一新し、良いエントリーポイントを生み出すためには下落が必要だ」と指摘した。
  米労働省が10日発表した2月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比23万5000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は20万人増だった。前月は23万8000人増(速報値22万7000人増)に修正された。

  S&P500種の業種別11指数では公益や電気通信サービスが高い。一方で原油相場の下落を手掛かりにエネルギー株は値下がりした。
原題:U.S. Stocks Rise, Dollar Falls as Data Back Hike: Markets Wrap(抜粋)
原題:U.S. Stocks Advance as Jobs Report Shows Wages Improving(抜粋)
原題:U.S. Jobs, Pay Show Solid Gains in Trump’s First Full Month (1)(抜粋)

◎米国債:上昇、雇用統計後も利上げ軌道の見通しは変わらず

  10日の米国債相場は上昇。2月の米雇用統計が発表された後も利上げ軌道の見通しはおおむね変わっていない。国債は週間ベースでは下落。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.57%。ここ2週間の米国債売りは、連邦公開市場委員会(FOMC)が3月15日に利上げを実施するとの観測の高まりが背景。

  TDセキュリティーズのストラテジスト、プリヤ・ミスラ氏は「米国債市場には安ど感が広がっている」と指摘。「FOMCは3月の利上げが可能になるが、年内3回利上げというテーマは変わらない」と述べた。

  米労働省が発表した2月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比23万5000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は20万人増だった。前月は23万8000人増(速報値22万7000人増)に修正された。

  平均時給の伸びは市場予想を下回ったものの、前月分は上方修正された。

  欧州市場の引けにかけては、ユーロ圏の国債につられる形で利回りは日中の低水準から一時的に戻した。欧州中央銀行(ECB)当局者らは債券購入プログラム終了前の利上げがあり得るかどうかを検討したと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  米国債市場のポジション動向を示すさまざまな指標は、利回り上昇の見方が広がっていることを示唆しており、利回り上昇局面では買い戻し意欲が強い。

  ストラテジストらは米国債を買う根本的な理由があるとも考えている。TDは今週、米10年債の買いを推奨し、2.40%への利回り低下を目標に設定した。財政政策をめぐる不透明感や米利上げサイクルの終着点が低いこと、世界的な低利回りに基づくと説明した。
原題:Treasuries Rise as Jobs Report Leaves Fed Expectations Intact(抜粋)

◎NY金:9日続落、好調な米雇用統計で利上げ期待に拍車

  10日のニューヨーク金先物相場は9営業日続落。2015年7月以来の長期下落局面となった。朝方発表された2月の米雇用統計で労働市場の改善継続が示され、年内の利上げ見通しが一段と強くなった。

  オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)のエコノミスト、バーナバス・ガン氏は10日付のリポートで、「差し当たっての問題は、利上げが実施された後の環境だ」と指摘。市場参加者は次の利上げ時期をうかがうことになるが、欧州諸国の選挙を巡る不透明性が強いことやトランプ政権の政策に関する詳細が不足していることを踏まえると、金相場の下落は短命に終わるかもしれないと説明した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比0.1%安の1オンス=1201.40ドルで終了。週間では2%下げた。

  銀先物は下落し、週足でも前週に続き下げた。パラジウム先物は10月以降で最長の4週連続の下落となった。プラチナ先物は2週連続で値下がりした。
原題:Gold’s Dismal Week Has Investors Asking What’s After March Hike(抜粋)

◎NY原油:大幅続落、米在庫増で週間の下げは11月以降で最大

  10日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続落。週間での下げは昨年11月以降で最大の9.1%となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国の減産合意から3カ月かけて積み上げた価格上昇は、米在庫の急増で失われた。

  USバンクでプライベート・クライエント・グループの地域投資マネジャーを務めるマーク・ワトキンス氏(ユタ州パークシティー在勤)は、「今週発表された在庫の高い数字を、まだ市場は消化しきれていない」と指摘。「この数字がもたらしたショックで市場は50ドル割れを模索し、そして割り込んだ。今後2週間は激しい動きとなり、45ドル水準に下げることもあり得る」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比79セント(1.60%)安い1バレル=48.49ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は82セント(1.6%)下げて51.37ドル。週間では8.1%値下がりした。
原題:Oil Caps Worst Week Since November as U.S. Supply Glut Expands(抜粋)

◎欧州株:上げ幅縮小、ECBがQE終了前の利上げ検討との報道で

  10日の欧州株式相場は上げ幅を縮小し、ほぼ変わらずで終了した。欧州中央銀行(ECB)が国債購入プログラムの終了前に利上げか可能かどうかを協議したとの報道があったことが背景にある。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%高の373.23で終了。週間ベースでは0.5%下げた。

  事情に詳しい複数の関係者が明かしたところによれば、ECBは9日の政策委員会で、非伝統的な金融政策の解除に関するコミュニケーションと解除の順序について意見を交換した。

  オランダのAEX指数は2007年12月以来の高値で終了。アクゾ・ノーベルは4.7%上昇。米PPGインダストリーズが新たな買収案を提示する準備を進めていると、同国紙フィナンシエール・ダフブラットが匿名のPPG幹部を引用し伝えた。

  個別銘柄では、英通信会社BTグループが3.7%値上がり。規制当局の要請に応じ、ネットワーク部門オープンリーチを分離して別会社にすることで合意した。

  ストックス600の業種別指数では、石油・ガス指数が上昇率首位。前日まで4日続落していた。
原題:European Stocks Pare Gain on Report That ECB Discussed Rate Rise(抜粋)
EUROPEAN WRAP-Stoxx 600 Steady as ECB Said to Discuss Rate Rise(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が下落-ECBがQE終了前の利上げ協議との報道で

  10日の欧州債市場ではドイツ国債が大幅下落。欧州中央銀行(ECB)が債券購入プログラム終了前に利上げが可能かどうかを協議したと伝わり、終盤に下げ幅を拡大した。

  ドイツ国債は3日続落。日中の大半は狭いレンジ内での取引だった。5年債が大幅安、利回りは8bp前後上昇。5年債と30年債の利回り格差は6bp強縮小。

  スペイン超長期債も売られ、5年債と30年債の利回り格差はスティープ化-発表された国債入札に30年債も含まれていたことが売り材料。
原題:ECB Rate Talk Riles German 5Y; End-of-Day EGB Curves, Spreads(抜粋)

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