近く正式な離脱手続きに踏み切るメイ首相に、欧州連合(EU)からあらためて厳しい現実が突きつけられた。インタビューやブルームバーグが確認した内部文書によると、ベルリンからブリュッセルまでEU加盟国の首脳は英国との離脱交渉で統一戦線を組み、離脱で得るものより失うものを多くさせようと決意を固めている。

  ドイツはEUに分裂はなく、英国に過度の譲歩はしないと言明。デンマークはメイ首相が望むEUとの貿易協定締結には、最長15年かかる可能性があると警告した。英国と歴史的に関係が深いアイルランドですら、離脱時に費用支払いを要求する点で他のEU加盟国と足並みをそろえ、ロンドンから銀行を誘致しようと画策している。

英国のメイ首相とバロー駐EU大使(9日、ブリュッセル)
英国のメイ首相とバロー駐EU大使(9日、ブリュッセル)
Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

  これらはメイ首相が有権者に約束した、成果のあるEU離脱がいかに難しいかを浮き彫りにする。メイ首相は今月中にリスボン条約50条を発動し、2年間の期限がある離脱交渉を開始する意向だ。

  ブルームバーグニュースはドイツ政府内で回覧されている内部文書を入手した。この文書はEUの姿勢を露骨に示すもので、ドイツはEUの団結維持が「最優先」だとし、「加盟国間の分断を許してはならない」と呼び掛けている。また加盟国であった時と離脱した後では違いがあって当然だとも強調した。

  ドイツは欧州委員会で英国との離脱交渉責任者を務めるミシェル・バルニエ氏と同じく、新たな通商関係を協議するのはまず離脱の枠組みが整ってからだとの立場も打ち出した。平行協議を望む英国にとっては、これも打撃になる。

原題:May Is Told Brexit Hard Truths as EU Readies for Talks (1)(抜粋)

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