【債券週間展望】長期金利上昇か、米利上げペース加速観測で売り圧力

  • 米金利が明確に2.6%上抜けなら影響及ぶだろう-JPモルガンAM
  • どこで金利上昇が止まるかというのを見るタイミング-三井住友AM

来週の債券市場では長期金利に上昇圧力がかかりやすいと予想されている。米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げがほぼ確実視される中、年内の利上げペース加速観測がくすぶり米長期金利主導で売りが優勢となる見通し。

  今週の新発10年物国債346回債利回りは0.075%で開始し、7日の30年債入札を波乱なく通過し一時0.065%まで買われた。9日の5年債入札が低調な結果になると、2月22日以来の水準となる0.09%まで上昇した。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「来週の米利上げは織り込み済みだが、米連邦準備制度理事会(FRB)の先行きスタンスを見る上で声明やイエレン議長の会見には注目だ」と指摘。「米10年債利回りが2.6%を明確に上抜けした場合には、日本国債にも影響が及ぶだろう」とみる。  

イエレンFRB議長

Photographer: Aaron P. Bernstein/Bloomberg via Getty Images

  FOMCは14、15日の日程で開かれる。会合後にはイエレン議長の記者会見が予定されている。米国債市場では、当局者の発言や雇用関連指標の好調などを背景に金利上昇圧力が強まり、10年債の利回りは2.6%台と、昨年12月以来の水準に上昇している。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは、「3月の米利上げがかなり確定的になったという部分についてはそれなりに織り込んできた」とし、「来週はどこで金利上昇が止まるかというのを見るタイミング」だと話す。

  日本銀行は15、16日に金融政策決定会合を開く。ブルームバーグがエコノミスト41人を対象に6-9日に実施した調査では、全員が現状維持を予想した。

20年債入札を見極め

  財務省は14日、20年利付国債の価格競争入札を実施する。償還が3カ月延びて160回債となり、発行予定額は前回と同じ1兆1000億円程度。17日には投資家需要の強い既発国債を追加発行する流動性供給が予定されている。対象は残存期間1年超5年以下の銘柄で、発行予定額は2000億円程度となる。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「30年入札を無難にこなし、20年入札が崩れるとは思わない。0.6%台後半なら悪くないだろう」と指摘。ただ、「年度末で積極的な動きが限られる中、FOMCが終わるまでは上値が重いだろう」と述べた。

市場関係者の見方

*T
◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*米利上げで米国債のイールドカーブがフラット化するのか、景気の強さとトランプ財政を視野にベアスティープ化してくるのかが重要だ
*20年債入札は大きな波乱要因ではないが、米10年債利回りの上昇次第では流れるリスクもある
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.12%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*米長期金利は2.6%からもう少し上がるかもしれないが、利上げペースの加速を織り込み始めている動きだと思うので、それはやり過ぎだろう
*FOMC後に米金利上昇と円安が反転し、円債も少しは買われるだろう
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッド
*日銀会合、年度内は長期金利0.1%守る姿勢で、順調に買い入れ額も減らせているので、ここで何か慌てて金利の誘導目標を上げるということを言わなくてはならない環境ではない
*20年債入札、3月は潜在的に残高を積まなくてはいけないニーズもあるので心配はない
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*米FOMCでは追加利上げが決まるとして、利上げペースがどの程度速まるかどうかが注目
*日銀YCCの操作目標は実際には少しずつ上昇を容認していくのではないかとみている。日銀見通しに沿って景気や物価が改善すれば金利上昇は自然
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.12%
*T

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