アクティビスト(物言う株主)として知られるカール・アイカーン氏が、米保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のピーター・ハンコック社長兼最高経営責任者(CEO)に狙いを定め、リターン低迷に不満を表明したり、資産売却の圧力を掛けたりしてから1年5カ月。ついにハンコックCEOが辞任を発表した。

  ブルームバーグが業界幹部やアドバイザーにインタビューした結果、後継者候補とみられるのは次の8人だ。

ダン・グレーザー氏
ダン・グレーザー氏
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

ダン・グレーザー:マーシュ・アンド・マクレナンCEO

2007年まで7年間AIGの幹部を務めたこともある業界通。マーシュは顧客を通じてAIGと関係があり、元AIG社員を登用している。ただし、世界最大の保険ブローカートップの椅子を手放すかは疑問。

ウィリアム・ジャーゲンセン:AIG取締役、ネーションワイド相互保険元CEO

ウィリアム・ジャーゲンセン氏
ウィリアム・ジャーゲンセン氏
Source: AIG.com

取締役の中で数少ない業界経験者。AIG監査委員会委員長でリスク管理や資本に関する委員会のメンバー。ただし、65歳とCEOとしては高齢の部類(ブルームバーグ・データによれば、S&P500種株価指数構成企業のCEO平均年齢は57歳)で、株式公開企業経営の経験もない。

ピーター・フィッシャー:AIG取締役

ピーター・フィッシャー氏
ピーター・フィッシャー氏
Photographer: Chris Goodney/Bloomberg

ニューヨーク連銀や米財務省での勤務経験があり、世界最大の資産運用会社であるブラックロックの幹部でもあった。「システム上重要な金融機関」と認定された企業のトップとして、規制環境の変化に対応し、AIGの3200億ドル(36兆8000億円)強の投資を管理するには適任。ただし、株式公開企業経営の経験はない。

ブライアン・デュパーロールト:ハミルトン保険CEO

ブライアン・デュパーロールト氏
ブライアン・デュパーロールト氏
Soruce: AFP via Getty Images

業界で最も尊敬されている経営者。AIGで幹部に昇進後にライバル企業に転出、その後マーシュ・アンド・マクレナンCEOなどを歴任して後、ハミルトンを創業した。ただし、69歳でもあり、堅実に事業を拡大しているハミルトンに引退まで残る可能性も。

ロブ・シメック:AIGの商業部門CEO

ロブ・シメック氏
ロブ・シメック氏
Source: AIG.com

ハンコックCEOの下、ここ数年社内のリストラに関与。内部者登用は継続性を内外に示すことになる。ただし、商業部門は数十億ドルの損失を計上など問題山積。

ピーター・ザフィノ:マーシュ・インクCEO

ピーター・ザフィノ氏
ピーター・ザフィノ氏
Source: Marsh.com

マーシュ・アンド・マクレナンの保険ブローカー子会社、マーシュ・インクを経営し、AIGとは主要顧客を共有する。デュパーロールト氏と近く、マーシュ・アンド・マクレナンで一緒に勤務した。ただし、保険引き受け業務の経験がない。

ロバート・S・ミラー:AIG取締役

ロバート・S・ミラー氏
ロバート・S・ミラー氏
Photographer: Peter Foley/Bloomberg

09年に取締役会に加わり、10年から会長職。政府から受けた1820億ドル強の公的資金返済に尽力した。15年に会長職を辞したが、いまだ技術委員会、人事選任・コーポレートガバナンスの委員会のメンバー。ただし、インターナショナル・オートモーティブ・コンポーネンツ・グループCEOでもあり、保険会社CEOの経験はない。

ダグ・スティーンランド:AIG会長

ダグ・スティーンランド氏
ダグ・スティーンランド氏
Source: AIG

15年から現職。ハンコックCEOを支援し、物言う株主から称賛された資産売却や経費削減を断行。しかし、航空業界出身で65歳でもある。

こうした候補者はいずれもコメントを拒否。またAIGもコメントを控えている。

原題:As Icahn Prevails, One of These Managers May Be Next to Lead AIG(抜粋)

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