10日の東京株式相場は続伸、TOPIXと日経平均株価はことしの高値を付けた。欧米の長期金利上昇や為替が2カ月ぶりの円安水準に振れ、企業業績への期待で保険など金融株、電機や自動車など輸出株中心に幅広く高い。

  TOPIXの終値は前日比19.33ポイント(1.2%)高の1574.01、日経平均株価は286円3銭(1.5%)高の1万9604円61銭、両指数は2015年12月7日以来の高値水準。先物・オプションの特別清算値(SQ)算出があった影響もあり、東証1部の売買代金はことし最高。

  ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員は、「欧米長期金利の上昇が円安を通じ、日本株の支援材料。マクロ経済が堅調で、米国の利上げはかなり早そうだと市場はみている」と指摘。日本株に対し「強気。相対的に割安で、業績の伸びも期待できる」と話した。

東証内
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は9日、政策据え置き後の会見で、緩和的な金融政策を維持する必要性を強調した一方、利下げを示唆する言及を削除するかどうか協議したことを明らかにした。前回まで使われていた「利用可能なあらゆる手段を駆使」の文言は、緊急性が後退したことを示すため削除した。また、ことしのインフレ率予想を昨年12月時点の1.3%から1.7%に、18年は1.5%から1.6%に引き上げた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、ドラギ総裁は「緩和的政策を維持すると言っているが、ドイツやオランダなど財政健全国にとって緩和継続は今後説明がつかなくなる。年後半にはテーパリングに向かう可能性が高い」との見方を示す。

  9日の欧州債は下落し、利上げペースの加速見通しが加わった米国債は続落。米10年債利回りは2.61%と、前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。時間外取引でもプラス圏で推移した。欧米金利の上昇を材料に、きょうのドル・円相場は1ドル=115円40銭台と、1月19日以来のドル高・円安水準に振れた。9日の日本株終了時点は114円54銭。

  米国市場で10日に発表される2月の雇用統計は、市場予想で非農業部門雇用者数が20万人増える見通し。前回は22万7000人増。平均時給は前年同月比2.8%増と、前回の2.5%増から伸び拡大が予想されている。来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、内藤証券投資調査部の浅井陽造部長は「欧米をはじめ世界景気は回復基調にある。米利上げ回数について、市場では強気な見方が増えてきている」と言う。

  きょうの日本株は朝方から上昇基調を強め、午後の取引はじり高展開。日経平均の上げ幅は一時300円超え、終値で1月4日の大発会に付けた昨年来高値(1万9594円)を更新した。取引開始時は先物・オプション3月限のSQ算出で、ブルームバーグの試算で日経平均型は1万9434円30銭と、前日終値を115円72銭上回った。

  東証1部33業種は保険、証券・商品先物取引、空運、医薬品、サービス、電機、食料品、輸送用機器など31業種が上昇。鉄鋼、海運の2業種のみ下落。保険では、野村証券が第一生命ホールディングスとT&Dホールディングスの判断を「買い」に上げる材料があった。空運では、メリルリンチ日本証券がANAホールディングスの投資判断を2段階上げた。金融セクターは、前日の米金融株の堅調も支援材料。

  売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が「買い」判断を再強調したリクルートホールディングス、メリル日本証が判断を「買い」に上げた大塚ホールディングスが高い。ソニーや野村ホールディングス、デンソーも買われた。半面、新日鉄住金やJFEホールディングス、NTTデータ、商船三井、東ソーは安い。東証1部の売買高は22億6716万株。売買代金は2兆9484億円。代金は昨年12月12日以来の高水準。上昇銘柄数は1563、下落は341。

  このほか、韓国の憲法裁判所は10日、朴槿恵大統領の罷免妥当の判断を下した。新大統領の選出選挙は60日以内に行われ、世論調査では野党候補がリードしている。裁判所判断を受け、韓国ウォンは反発した。

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