債券市場では超長期相場が下落。前日の米国債相場が続落したことや、来週の20年債入札に向けた売りに押された。日本銀行が実施した国債買い入れオペ結果を受けて午後の取引開始後には買いが優勢になる場面もあった。

  10日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.09%で開始。いったん0.08%に下げた後、0.085%で推移した。

  新発20年物159回債利回りは1bp高い0.675%。午後に入って0.665%まで戻したものの、14日の20年入札に向けて売りが出た。新発30年物54回債利回りは1.5bp高い0.865%、新発40年物9回債利回りは1bp高い1.045%と2週間ぶりの高水準を付けた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「米10年債利回りが2.6%を明確に上抜けした場合には、日本国債にも影響が及ぶだろう。来週の米利上げは織り込み済みだが、米連邦準備制度理事会(FRB)の先行きスタンスを見る上で声明やイエレン議長会見には注目だ」と話した。

  日銀は午前の金融調節で残存期間「1年超3年以下」、「3年超5年以下」、「10年超25年以下」、「25年超」の国債買い入れオペを実施した。1ー3年の買い入れ額は前回より200億円少ない3000億円と、2回連続で減額。残りの3本は前回オペと同額だった。

日銀国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  JPモルガン・アセットの塚谷氏は、日銀が1年超3年以下のオペを下限まで減額したことについて、「利回りがあまりにも低いのと、全体の購入額を減らしていきたい日銀の意向が背景」と説明。「望ましい水準より明らかに利回りが低いゾーンは減らし、誘導目標を定めた10年債に金利上昇圧力が高まった場合に、買い入れ増に動く原資を確保する狙いもあるとみる」と述べた。

限月交代

  長期国債先物市場で3月物は前日比10銭安の150円28銭で取引開始。午前の日銀オペ通知で残存1-3年が減額されるといったん軟化したが、すぐに持ち直した。午後は150円50銭まで上昇し、結局は2銭高の150円40銭で引けた。

  先物市場では6月物の売買高が3月物を上回り、限月交代となった。建玉残高は前日段階で6月物が6兆円台と3月物の3兆円弱の倍以上となり、取引の中心となっていた。大阪取引所はこの日午後3時半からの夜間取引から、中心限月が6月物に移行したと発表した。 

米利上げペース加速警戒

米連邦準備制度理事会
米連邦準備制度理事会
Bloomberg

  9日の米国債相場は大幅続落。米10年国債利回りは前日比5bp高い2.61%程度と今年の最高水準で引けた。10日発表の2月の米雇用統計を受けて利上げペースの加速見通しが一段と強まることへの警戒感が背景にある。

  ブルームバーグのエコノミスト調査によると、2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から20万人増加する見込み。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月14、15日に開催される。ブルームバーグの調査によると、プライマリーディーラー23社中で22社が今月の利上げを予想した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「30年入札を無難にこなし、来週の20年入札が崩れるとは思わない。ただ、FOMCが終わるまでは上値が重いだろう」と指摘。「米長期金利もかなり上昇し、2.6%からもう少し上がるかもしれないが、利上げを決定すればいったん戻るのではないか。利上げペースの加速を織り込み始めている動きだと思うので、それはやり過ぎだろう。FOMC後に米金利上昇と円安が反転し、円債も少しは買われるだろう」と述べた。

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