3月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル変わらず、米雇用統計控え上げ削る-ユーロは上昇

  9日のニューヨーク外国為替市場でドルが上げ幅を削った。欧州中央銀行(ECB)の金融政策発表を経て、トレーダーの関心は10日発表の米雇用統計に移った。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変わらず。55日移動平均の節目を超えた後、同指数は小幅なレンジで推移している。
  ドラギECB総裁が政策決定後の記者会見で、ユーロ圏経済の循環的回復が勢いを増していることを認めるとユーロは上昇した。ただドラギ総裁がよりタカ派的な姿勢への移行を示唆することはなかった。

  ECBは同時に最新の経済予測を公表。今年のインフレ率予想は1.7%と、昨年12月時点の1.3%から引き上げられた。ユーロ圏の17年の成長率見通しは1.8%に上方修正された。

  この日のドルは対ユーロで下げたものの、対円と一部資源国通貨に対しては上昇した。

  米雇用統計の内容が、来週15日発表の連邦公開市場委員会(FOMC)決定に影響を及ぼす可能性はほぼないとみられている。市場では0.25ポイントの利上げが発表されるとの見方が強い。

  ADPリサーチ・インスティテュートが前日発表した調査で、2月の米民間部門の雇用者数が市場予想を大きく上回る増加となったことから、10日発表の米雇用統計で同様のペースでの雇用増加が示された場合、市場の関心はその次の利上げのタイミングに移る可能性があるとトレーダーは指摘する。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.5%高の1ドル=114円95銭。対ユーロでは0.3%下げて1ユーロ=1.0577ドル。
原題:Dollar Pares Gains Before Jobs Report as ECB Grabs Spotlight(抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず、ヘルスケアが高い-不動産など値下がり

  9日の米株式相場はほぼ変わらず。S&P500種株価指数は小幅ながら4日ぶりに上げた。米国債利回りの上昇を受けて不動産株などが下げた一方、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言が相場を下支えした。ヘルスケア株が高い。

  不動産株は8営業日続落と、2013年8月以降で最長の連続安。配当利回りが高い不動産銘柄は、米国債利回りが上昇するとその魅力が損なわれる。

  S&P500種株価指数は前日比0.1%未満上昇の2364.87。ダウ工業株30種平均は2.46ドル上げて20858.19ドル。

  S&P500種の業種別11指数では、ヘルスケア株の指数が0.6%高と最も上げた。金融株は0.3%高と、今週に入り初めて上昇。一時は0.8%高となった。

  一方で公益は0.2%下落、不動産は1.3%下げた。米10年債利回りは9営業日連続上昇となった。

  ドラギECB総裁はこの日、ユーロ圏経済の循環的回復が勢いを増していることを認めた。

  市場では10日発表される2月の米雇用統計に注目が集まっている。8日発表された民間雇用者の統計では、増加幅が市場予想を上回った。

  今月に入り米金融政策当局者からタカ派寄りの発言が聞かれたことから、市場では来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ決定がほぼ確実視されている。
原題:U.S. Equities Mixed After Three-Day Slump as Health Care Gains (抜粋)
原題:Treasuries Slump Worsens Before Jobs as Oil Drops: Markets Wrap(抜粋)

◎米国債:続落、5年債は11年以来の高利回り-雇用統計控えリスク軽減

  9日の米国債相場は続落。5年債利回りは2011年以来の高水準を付けた。10日発表の雇用統計を控えた売りが続いた。雇用統計を受けて利上げペースの加速見通しが一段と強まる可能性がある。

  5年債利回りは一時2.133%と、昨年の最高水準を約1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回った。10年債と30年債の利回りも昨年の最高水準にあと約3bpに迫った。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が「ユーロ圏の経済見通しを取り巻くリスクは以前ほど顕著ではない」と発言し、ユーロ圏の国債主導で朝方は下落した。午後は株価が下げたものの、米国債の売りは加速した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5bp上昇の2.61%。

  MUFGセキュリティーズ・アメリカの米国債トレーディング責任者、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「金利上昇に伴い、長期的な観点の投資家による売りが続いている」と指摘。10年債利回りにとって昨年12月16日以来の高水準である2.62%が鍵だと指摘した。

  ドラギ総裁が声明に前回まで使われていた「利用可能なあらゆる手段を駆使」の文言は緊急性が後退したことを示すため削除したと発言すると、ドイツ10年債利回りは一時5.6bp上昇した。

  今週最後の国債入札となった30年債入札(発行額120億ドル、銘柄統合)では最高落札利回りが3.17%と、同年債入札としては2014年9月以来の高水準となった。
  
  30年債の落札利回りは午後1時の入札締め切り時の入札前取引での利回り水準をわずかに上回った。プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の落札に占める割合は25.8%と、昨年7月に付けた過去最低(23.1%)以来の低さとなった。一方、プライマリーディーラー以外の直接入札者の割合は15年10月以来の高水準である13.1%。外国の中央銀行や投資信託を含む間接入札者は61.1%に低下した。
原題:Treasuries Slide as Investors Cut Risk Before Employment Report(抜粋)

◎NY金:8日続落、1200ドル割れが目前-良好な経済指標受け

  9日のニューヨーク金先物相場は8営業日続落し、1オンス=1200ドルの大台割れに近づいた。良好な米経済指標を受け、金以外の資産の運用利回りが今年上昇するとの見方が一層強まった。

  エレメンタルのトレーディング責任者、ブラッド・イエーツ氏は「経済指標が引き続き好調となるかさらに改善した場合、米金融当局はよりタカ派の論調に傾く可能性がある。それは金への悪材料となり得る」と指摘した。

  ニューヨーク時間午後2時8分現在、金スポット相場は前日比0.5%安い1オンス=1202.78ドルと4営業日続落。一時は2月1日以来の安値をつけた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は0.5%安の1オンス=1203.20ドルで終了。2015年7月以来最長の下落局面となった。

  このほか銀先物、プラチナ先物、パラジウム先物はいずれも下落した。
原題:Gold Suffers Worst Run Since October as Slide Below $1,200 Looms(抜粋)

◎NY原油:大幅続落、50ドル割れ-減産合意前日以来の安値

  9日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続落。米在庫増加による供給だぶつきを市場は無視できなくなり、昨年の石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国による減産合意を受けた上昇は消失した。

  戦略国際問題研究所(ワシントン、CSIS)のアダム・シミンスキー氏は「世界的な需給バランスを巡る不安が広がっている」と指摘。米エネルギー情報局(EIA)の局長を務めた経歴のある同氏は電話取材に対し、「バレル50ドルの価格でシェールが市場に戻ってきた。OPECとその他産油国が生産合意を延長するかどうかという不透明感もある」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比1.00ドル(1.99%)安い1バレル=49.28ドルで引けた。OPECは昨年に8年ぶりの減産合意をまとめたが、この日の終値はその前日11月29日以来の安値。この4営業日で7.6%の値下がり。ロンドンICEの北海ブレント5月限は92セント下げて52.19ドル
原題:Oil Erases OPEC Accord Gains as Record Supply Sows Market Doubts(抜粋)

◎欧州株:下げ消す展開-ECB総裁が景気下振れリスク後退を指摘

  9日の欧州株式相場はほぼ変わらず。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が景気下振れリスクの後退を指摘したことを受け、株価は一時の下げを消す展開となった。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%高の372.89で終了。業種別指数の中で銀行株の上げが目立った。ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、景気回復の勢いが増している可能性を認め、デフレリスクの切迫感はもはやないと語った。この日はユーロが買われ、ドイツ国債利回りも上昇した。

  シティ・インデックス(ロンドン)の調査ディレクター、キャサリン・ブルックス氏はリポートで、「少なくとも年末までユーロ圏の量的緩和(QE)は維持される。だが、デフレリスクが後退したことから追加措置の可能性は低下した」とし、「行間からECBの次の行動は緩和策の拡大ではなく、終了に向かう方向にあることが読み取れる」と指摘した。

  業種別指数で銀行株は3週間ぶりの高水準となり、鉱業株の大幅安を打ち消した。

  個別銘柄では、オランダのアクゾ・ノーベルが13%高の急伸。米PPGからの209億ユーロの一方的な買収提案を拒否した上で、株価押し上げに向け特殊化学品事業を分離する可能性があることを明らかにした。
原題:Europe Stocks Little Changed as Banks Rally After Draghi Speech(抜粋)

◎欧州債:軒並み下落-ECB総裁が景気へのリスクバランス改善を指摘

  9日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が軒並み下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が景気に対するリスクバランスの改善を指摘したほか、利下げを示唆する言及を削除するかどうか協議したことを明らかにした。

  ユーロが上昇した一方、ドイツ10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.42%と、1カ月ぶりの高水準に達した。ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、金融緩和を堅持する必要性を強調したものの、必要に応じて利下げする準備があるかについての言及を削除するかどうか「簡単に」話し合ったと述べた。

  クレディ・アグリコルのストラテジスト、バレンティン・マリノフ氏は電子メールで、「ユーロはドラギ総裁が明らかにした域内経済見通しの上方修正に反応した」とし、「年内に域内の政治リスクが後退し始めたらECBが緩和策終了へと近づく可能性があることを示唆したと受け止められているようだ」との見解を示した。

  ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください。
原題:Euro, German Yields Rise as Draghi Gives Nod to Improved Outlook(抜粋)
Bund Losses Extend Over ECB; End-of-Day EGB Curves, Spreads(抜粋)

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