グロース氏:「ゴルディロックス」イエレン議長、記録的債務で綱渡り

  • トランプ氏仕掛けた幻想、引き込まれてはならない-月間投資見通し
  • 世界の債務、大量のニトログリセリン積んで山道走るトラックのよう

ジャナス・キャピタル・マネジメントで債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、米国の債務水準が記録を破りそうな勢いだと指摘し、セントラルバンカーは借り入れコストと成長促進の必要性に挟まれ危ない綱渡りを強いられると警告した。

  「ジャネット・イエレン氏は現代のゴルディロックス」だと、グロース氏は9日発表の月間投資見通しで、適温を見つける童話の主人公にたとえた。「これまでのところは順調な仕事ぶりのようだ。しかし金融システムのレバレッジは高く、大量のニトログリセリンを積んで山道を走るトラックのようだ」と述べた。

  グロース氏によれば、米経済が抱える債務負担はあまりにも重く、一歩踏み間違えれば中央銀行取り付け騒動に相当する事態を引き起こしかねない。世界的にも国内総生産(GDP)と比較した借り入れは金融危機が本格化した2008年当時よりも高いと、同氏は指摘する。

  「一歩間違えれば信用の内部崩壊を引き起こし、株式や高利回り債、そしてサブプライム住宅ローン債券の投資家が一斉に銀行に押し寄せかねない」とグロース氏。2008年に比べて「今の中央銀行は柔軟性が低くなっている」と続けた。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、米国の公的債務は7月に対GDP比104.8%。2008年7月は67.5%だった。グロース氏は書簡の中で、米国のクレジット65兆ドルは年間GDPのほぼ350%に相当すると指摘。かねて低金利やマイナス金利を批判してきた同氏は、金融危機の再来を招きかねない世界の債務に銀行ローンや住宅ローン、株式などを含めている。

  グロース氏はまた、トランプ政権が公約する経済成長を過剰に楽観しないよう投資家に促した。「3-4%成長や、減税と規制緩和の魔法といったトランプ氏が仕掛けた幻想に引き込まれてはならない」と警告。「今年からは自分のマネーがもたらすリターン(利益)ではなく、自分のマネーがリターン(返ってくる)するかどうかにもっと関心を払うべきだ」と続けた。

原題:‘Goldilocks’ Yellen Faces Tightrope With Record Debt, Gross Says(抜粋)

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