オランダでは15日の下院選を1週間後に控えて、自分にとって本当に望ましい政党を支持するよりも、ウィルダース党首率いる極右政党・自由党(PVV)の躍進を阻止する方が重要だと一部の有権者は考えている。

  アムステルダム在住の起業家バウター・スモーク氏は、キリスト教民主勢力を支持してきたが、ルッテ首相率いる与党自由民主党支持に方針を転換した。自由民主党が勢いを増すよう後押しし、ポピュリスト(大衆迎合主義)的なPVVの勝利を食い止めるのが狙いだ。

  スモーク氏(44)は「完全に戦略的な選択として私は自由民主党に投票する。ウィルダース氏が権力を握る状況を見たいとは思わない。ポピュリズムの行き着く先が対立と憎悪以外にあり得ないという十分な証拠をこれまで見てきた」と語った。

  スモーク氏のように戦術的な投票を行う有権者が選挙結果に大きな影響を与えるかどうかは分からないが、自由民主党は過去1カ月の世論調査でわずかながら支持を伸ばしており、そうした発想が同氏だけのものでないのは明らかだ。

  選挙調査に詳しいライデン大学のヨープ・バン・ホルステイン教授はインタビューで、「おおよその推定では、オランダ有権者の30%が戦術的な投票を検討している。これは10議席をおおむね左右する大集団であり、最終的な結果に相当変化が生じる可能性がある」と分析。ただ、15日の選挙で実際にどの程度の有権者が党派を超えて投票するか正確な予測は難しいと述べた。

  I&Oリサーチの最新の世論調査結果によれば、下院(定数150議席)の予想獲得議席は、自由民主党が24とPVV(20)を4議席リード。自由民主党支持者のうち22%が戦術的な動機が少なくとも部分的に働いていると回答したという。調査は3208人を対象に3-7日に主にオンラインで実施した。

原題:Anti-Wilders Tactical Vote May Benefit Rutte as Dutch Decide(抜粋)

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