上場投資信託(ETF)をアクティブ運用して高い手数料を稼ぎたいなら、運用者は有名でなくてはならない。

  著名債券ファンドマネジャーのビル・グロース氏が2014年にジャナス・キャピタル・グループに移籍後、PIMCOトータル・リターン・アクティブETF(銘柄コード:BOND)からは14億ドル(約1600億円)超もの資金が流出した。これに対し、スター級のジェフリー・ガンドラック氏が運用するSPDRダブルライン・トータル・リターン・タクティカル・ETF(同TOTL)には同じ期間に31億ドルが流入した。

  これを受けて、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は3人の新顔を招いて運用者を入れ替える。同社は発表文で、BONDの戦略を好調なPIMCO・インカム・ファンドに近づけることが目的だと説明した。

  この動きは、すべての資産運用会社がこのところ認識しながらもなかなか口にしない重要課題を示唆する。つまり、コストの問題だ。最近最も成功しているETFはブラックロックのiシェアーズ・コア・US総合債券ETFのように、手数料が比較的安いパッシブ運用型。ブルームバーグのデータによると、米国の債券ETFでアクティブ型は5%にすぎない。

  投資家からみてアクティブ型ETFはパッシブ型よりもコストが高いため、運用者の名前が物を言うと、シンメトリー・パートナーズ(運用資産約74億ドル)の製品戦略ディレクター、ティモシー・ベーカー氏は話す。

  同氏は「ビル・グロース氏が市場を上回る成績を挙げる時期もあれば、そうでない時期もあったが、投資家はグロース氏を信じて資金を投じ続けた」と説明。「ポートフォリオの成功には必要な要素が幾つかある。好成績や競争力ある手数料がそうだが、スター運用者の存在もマイナスにならない」と付け加えた。

  BONDの過去3年間のリターンはプラス9.9%で、ブルームバーグ・バークレイズ・US総合債券指数の7.9%を上回っている。それでも投資家資金が流出するので、ファンド存続のためには資金集めが成績以上に重要性を帯びる。

  投資家資金が向かう先は手数料の安いETFだ。例えば、ブラックロックのETFなら手数料は5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。これに対し、BONDは55bp。前者のリターンは過去1年でプラス0.6%にすぎなかったのに、投資家資金は95億ドル流入した。BONDは同期間にプラス3.2%の成績でも6億2600万ドルの流出に見舞われた。

  ダブルラインのETFも手数料はBONDと同じ55bp。それでもガンドラック氏にそれだけの価値があると投資家は確信しているようだ。15年の設定以降、資金純流出は1日しかない。

原題:Gundlach Clobbers Gross’s Ghost in Fight Against Cheap Bond ETFs(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE