欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は9日の金融政策決定では、口先ばかりで行動しなくても恐らく大丈夫だろう。

  ドラギ総裁は債券購入を少なくとも2017年末まで延長すると昨年12月に発表して、機先を制しているからだ。ユーロ圏のインフレ率は4年ぶりに2%を付けているものの、この日は現行計画をあらためて表明し、刺激策縮小プロセスの開始を求める声を退ける見通しだ。その裏付けとして総裁は、インフレ加速が持続しないことを示す最新見通しを公表する可能性がある。

  政策委員会のより批判的メンバーでさえもドラギ総裁の懸念を認めている。物価上昇はコアの財・サービスよりもエネルギーが主因であり、高失業率は経済に依然たるみがあることを示している。現行スタンスを維持すれば、ECBは域内が経済・政治リスクをどう乗り越えるかを見極めながら、出口議論を先延ばしできる。

  HSBCの欧州担当チーフエコノミスト、サイモン・ウェルズ氏は「ECBは抜け目ない行動で、年内いっぱいは金融政策を議題から実質外した。ユーロ圏の大部分の国は、ECBによって借り入れコストが上昇し景気回復が弱まるのを歓迎しないだろう。一方で、インフレ率が若干上振れしてもECBは批判されない」と指摘した。

  政策委員会の決定はフランクフルト時間午後1時45分(日本時間同9時45分)に発表される。ドラギ総裁はその45分後に記者会見する。ブルームバーグのエコノミスト調査では、ECBは政策金利を据え置き、毎月の債券購入プログラムを現行800億ユーロから4月に600億ユーロに減らして少なくとも12月まで続ける方針を繰り返すとの見通しが示された。

  事情に詳しい複数のユーロ圏当局者によれば、ECBは17年のインフレ率予想を大幅に上方修正するが、その後2年はエネルギー価格の影響が薄れるなどして落ち着く見通し。当局者1人によると、今年のインフレ率見通しは現行の1.3%から約1.7%に引き上げられ、18年の見通しは1.5%から1.6%前後に上方修正される。19年の見通しは1.7%で据え置かれるという。予測のプロセスは機密情報だとして当局者らは匿名を条件に話した。これらの予測は発表されるまで確定ではないという。ECB報道官はこの件に関してコメントを控えた。

原題:Draghi’s Forward Planning Keeps Bar High for Stimulus Change(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE