債券下落、米金利先高警戒や5年入札低調で-長期金利2週ぶり高水準

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  • 米年内利上げの回数が増えるリスク出てきた感ある-バークレイズ証
  • 先物は23銭安の150円38銭で終了、一時150円32銭まで下落

債券相場は下落。経済統計の良好さを背景に米金利の先高警戒感が強まっていることに加えて、この日実施された5年利付国債入札が低調な結果となったことから、売り圧力がかかった。

  9日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比11銭安の150円50銭で開始。午後に入ると低調な入札結果を受けて下げが加速し、150円32銭と2月24日以来の安値を付けた。結局は23銭安の150円38銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「今月の米利上げはほぼ決まりという感じだが、良好な雇用関連指標を受けて年内の利上げ回数が増えるリスクが出てきた感がある。米10年債利回りがここ最近のレンジを上振れしており、円債にも警戒感が出やすい」と話した。5年入札については、「結局のところ、足元で利下げ期待もない状況下で5年債の買いは需給の逼迫(ひっぱく)によるところが大きく、ショートカバー以外の需要はない」と分析した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から1ベーシスポイント(bp)高い0.08%で寄り付き、一時0.09%と2月22日以来の水準まで切り上げた。新発2年物374回債利回りは2.5bp高いマイナス0.265%で推移し、5年物130回債利回りは一時3bp高いマイナス0.12%まで売られた。

  財務省が実施した5年利付国債の価格競争入札では、最低落札価格が101円06銭と、市場予想の101円11銭を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.86倍と、2015年10月以来の低水準。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は4銭と前回の2銭から拡大した。

過去の5年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「ドル・円のベーシススワップが縮小して海外勢に多くを期待しにくい中、銀行勢の担保需要で入札をこなすほどの応札はなかったようだ」と指摘。「金融庁が外債の運用損に関して地銀に特別検査を実施するとの報道を踏まえると、国内の超長期債も含み損とみられる中で、仮に益出しするなら昔に買った10年以下のゾーンしかない」と言い、「そういう状況で、利回りの低い新発債を無理して買わなくても良いという判断に至ったのではないか」と説明した。

米金利先高警戒感

米連邦準備制度理事会

Bloomberg

  8日の米国債相場は続落。米10年債の利回りが前日比4bp上昇の2.56%程度となった。一時は2.58%と、昨年12月20日以来の水準まで上昇した。強めの雇用関連指標を受け、週末発表の雇用統計でも雇用者数の伸びが上振れするとの見方から売りが優勢となった。

  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は29万8000人増加と、予想(18.7万人)を大きく上回った。

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