日本株は反発、米民間雇用の拡大と円安推移-ゴムなど輸出中心堅調

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  • 米ADP統計、雇用者数は2014年4月以来の伸びに
  • ECB理事会、あすの米雇用統計控え様子見姿勢も

9日の東京株式相場は反発。米国の民間雇用統計が予想を上回り、米長期金利が上昇、為替のドル高・円安推移が好感された。ゴム製品や精密機器、輸送用機器など輸出株中心に高く、ゴムには野村証券がブリヂストンの投資判断を「買い」とする材料もあった。

  TOPIXの終値は前日比4.43ポイント(0.3%)高の1554.68、日経平均株価は64円55銭(0.3%)高の1万9318円58銭。日経平均は5営業日ぶりの上昇。

  東京海上日動火災保険・資産運用第2部の桑山祐介課長代理は、米国のADP雇用統計は想定以上に良く、「10日の雇用統計も良くなれば、市場は短期的には利上げの加速を織り込む可能性がある」と指摘。また、きょうの欧州中央銀行(ECB)理事会で「多少でもタカ派的な態度の変化が見られれば、欧州の金利上昇につながり、米金利も上昇、 円安方向になる。日本株にはフォローの風が吹きやすい」との認識を示した。

東証内ボード

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが8日に発表した2月の米民間部門の雇用者数は、29万8000人増と2014年4月以来の大幅な伸びとなった。市場予想の中央値は18万7000人増。これを受け、市場が織り込む3月の米利上げ確率は100%となり、6月の確率も7日の43%から48%に上昇した。

  マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは、「3月利上げをほぼ完全に織り込む中、最後の不安は雇用統計の下振れだったが、ADP雇用統計で疑念は払拭された」と言う。

  8日の米国債は続落し、10年債利回りは2.56%と4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇、昨年12月以来の高水準となった。米長期金利の上昇を受け、きょうのドル・円は一時1ドル=114円50銭台と前日の日本株終了時点113円77銭からドル高・円安方向に振れた。前日の海外市場では一時114円75銭まであった。

  9日の欧州では、ECBの政策決定会合が開かれる。ECBは現行の金融緩和策を据え置く見通しだが、ユーロ圏のインフレ率は4年ぶりに2%に到達、出口議論が活発化する可能性もあり、ドラギ総裁の発言が注視されている。東京海上日動の桑山氏は、「緩和を強めるとも考えにくく、リスクとしてあるのは円安方向」とみる。

  きょうの日本株は上昇して始まり、日経平均は朝方に一時96円高まで買われた。しかし、その後は上値の重い展開。東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは、「米労働市場はタイト化が続いている。今後行き過ぎた利上げでドル高になり、経済が崩れかねないとの警戒感があり、円安になっても日本株は上がりにくい」と複雑な事情を指摘した。10日には米雇用統計、来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)、極右勢力の行方が焦点のオランダ総選挙なども控え、積極的に買い進みにくい事情もあった。

  東証1部33業種はゴム、精密、海運、ガラス・土石製品、非鉄金属、金属製品、証券・商品先物取引、輸送用機器など21業種が上昇。ゴムは、野村証券が値上げ効果で原材料高吸収を見込み、ブリヂストの投資判断を「買い」とした。鉱業や鉄鋼、電気・ガス、石油・石炭製品、倉庫・運輸、保険など12業種は下落。鉱業や石油は、8日のニューヨーク原油先物が5.4%安の1バレル=50.28ドルと大幅続落、昨年12月以来の安値を付けたことが嫌気された。

  売買代金上位ではブリヂストやSUMCO、オリンパス、スズキ、ヤマトホールディングス、東京エレクトロン、メリルリンチ日本証券が目標株価を上げた三井金属が高い。半面、一部報道をきっかけに決算発表の再延期リスク、米原子力子会社の米政府による債務保証問題が懸念された東芝が大幅安。JR九州や新日鉄住金、クレディ・スイス証券が投資判断を下げた横河電機も安い。東証1部の売買高は15億9502万株。売買代金は1兆8791億円。代金は前日から6%強減り、2兆円の大台を下回った。上昇銘柄数は1216、下落は625。

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