欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、ADP雇用者数の大幅増で政府統計上振れ見込む

  8日のニューヨーク外国為替市場でドルが上昇。朝方発表された米民間雇用統計を受けて、市場参加者の間では10日発表の米雇用統計が予想外の大幅増になるかもしれないとの見方が広がった。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は上昇。一時はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今月会合での利上げを示唆した3日以来の高水準を付けた。米10年債利回りが昨年12月以来の高水準に上昇したこともドルの支援材料となった。資源国通貨は下落。原油や金属の値下がりが響いた。

  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は29万8000人増加。市場予想を大きく上回った。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーは10日発表の雇用統計見通しを上方修正した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%上昇。ドルは対円で0.3%上昇して1ドル=114円35銭。対ユーロでは0.2%上昇して1ユーロ=1.0541ドル。
 
  ロス米商務長官は北米自由貿易協定(NAFTA)について、改定に向けた政府の「実質的な」交渉は恐らく今年の遅い時期まで始まらないだろうと述べた。ロス長官はカナダとメキシコはある程度の譲歩が必要だろうとの見方を示した上で、ドルの強さについての質問には回答を避けた。同長官の発言を受けてメキシコ・ペソとカナダ・ドルは対ドルで下落した。

  9日に行われる欧州中央銀行(ECB)の政策委員会を控え、この日の外為取引は薄商いだった。米金融政策当局が利上げ軌道にある一方で、欧州と日本の政策金利はせいぜい横ばいと予想しており、トレーダーは依然としてドルの押し目買いに傾いている。

  ECBは政策金利および金融政策を据え置き、量的緩和(QE)は従来通りの水準で維持すると予想されている。最近の経済統計は内容が改善しており、ECBは政策スタンスの変更を検討しているのかどうか、その手掛かりを探ろうと市場参加者はECB声明発表後に行われるドラギ総裁の会見に注目している。
原題:Dollar Rises to Weekly High After ADP Data Shows Surge in Hiring(抜粋)
 

◎米国株:3日続落、エネルギー中心に売られる-原油値下がりで

  8日の米株式相場は3日続落。原油相場の大幅下落を手掛かりにエネルギー株が売られた。朝方は2月の米民間雇用者数の大幅な伸びに反応して、上昇する場面もあった。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2362.98。ダウ工業株30種平均は69.03ドル(0.3%)下げて20855.73ドル。

  S&P500種の3日続落は1月以来で最長。ダウ平均銘柄ではエクソンモービルとシェブロンが大きく下げた。

  CMCマーケッツのチーフ・マーケット・ストラテジスト、マイケ ル・マッカーシー氏(シドニー在勤)は「これは終わりの始まりというわけではなく、恐らく単なる調整局面だろう」と分析。「米国や中国の経済の力強さを示す兆候は見られており、世界的に押し上げ要素はなお存在する」と続けた。

  金融株はほぼ変わらず。一時上昇していたが、徐々に上げを失う展開となった。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は3日連続で上昇した。

  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが8日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は29万8000人増加。これは2014年4月以来の大幅な伸び。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18万7000人増だった。
原題:U.S. Stocks Down for Third Day as Utilities, Real Estate Slump(抜粋)
原題:Crude Rout Drags Stocks Lower as Treasuries Slide: Markets Wrap(抜粋)

◎米国債:続落、10年債利回り年初来の最高-民間雇用が予想上回

  8日の米国債相場は続落。10年債利回りは昨年12月以来の高水準を付けた。民間雇用者数の伸びが最も楽観的な予想を上回ったことが、売りを誘った。10日には労働省が2月の雇用統計を発表する。

  来週の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの後、利上げペースが速まるとの見方が市場で織り込まれている。10年債利回りは一時2.582%と、昨年12月20日以来の高水準を付けた。ただ、10年債入札で需要が強かったため、その後は伸び悩んだ。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.56%。

  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが8日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用者数は29万8000人増加。最も高い予想は25万5000人増だった。これを受け、ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーが雇用統計の非農業部門雇用者数の予想を上方修正。予想中央値は19万人増から20万人増に上昇した。

  利回りは5年債を中心に軒並み今年の最高水準を付けた。

  5年債と30年債の利回り曲線はフラット化し、利回り差は一時104.5bpと、過去数年の最小レベルにあと5bp未満に迫った。

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される3月の利上げ確率は87%(7日は83%)、9月の利上げ確率は97%に上昇(7日は87%)した。

  10年債入札(発行額200億ドル、銘柄統合)では最高落札利回りが2.560%と、午後1時の締め切り時点の入札前取引の水準2.580%を下回った。応札倍率は昨年6月以来の高水準となる一方、プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の落札に占める割合は5月以来の低水準となった。

  TDのストラテジストは戦術的な10年債買い持ちを推奨した。利回り上昇を阻む要因として、財政政策を巡る不透明感や世界的な低利回りに加え、3月の米金融当局の金利見通しがあまり変わらないとの見方を挙げた。

  商品先物取引委員会(CFTC)によると、投機筋の米国債売り越しは過去最高となっている。

  原油相場が5%を超える急落となったため、インフレ連動国債(TIPS)は通常の国債よりも軟調だった。TIPS5年物と通常の5年債の利回り差は2.02%に縮小した。

  投機適格級の社債発行も注目されている。過去2営業で400億ドル近くの起債があり、米国債を圧迫した。8日はユナイテッド・ヘルス・グループなど6社が総額65億ドルの社債を発行した。
原題:Treasuries Tumble After ADP Employment Tops Highest Estimates(抜粋)

◎NY金:7日続落、米雇用者数の高い伸びで利上げ見通し強まる

  8日のニューヨーク金先物相場は7営業日続落。2月のADP米民間雇用者数が雇用市場の堅調を示し、来週のFOMCでの利上げ見通しが一段と強くなった。

  COMEXの金先物4月限は前日比0.6%安の1オンス=1209.40ドルで終了。日中は1206.40ドルと、2月1日以来の安値をつけた。

  ADP統計は米利上げの確率が100%に近いことをわれわれに伝えている。金相場が下落しているのはそのためだ-RJOフューチャーズのシニアマーケットストラテジスト、フランク・コリー氏。

  銀先物5月限は1.4%安の1オンス=17.298ドル。プラチナ先物4月限は1.2%安の同949.50ドル。パラジウム先物6月限は0.6%安の同770.40ドル。
原題:Gold Tumbles as ADP Jobs Surge Bolsters Fed’s Case to Hike Rates(抜粋)

◎NY原油:大幅続落、12月以来安値-米在庫増に市場は焦燥感

  8日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続落。昨年12月以来の安値。石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国が減産を実施したものの、米国の在庫水準を下げるには至っていないことが米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で明らかになった。

  ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の商品調査責任者、マイク・ウィットナー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「原油市場はしびれを切らせている」と話す。「OPECの減産合意の後、12月に大きく上昇したのは市場が均衡を回復するとの期待があったからだ。OPECは日量100万バレル以上を削減しているようだが、米国の在庫水準には何ら影響を与えていないみたいだ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前日比2.86ドル(5.38%)安い1バレル=50.28ドルで終了。終値ベースで昨年12月7日以来の安値。ロンドンICEの北海ブレント5月限は2.89ドル下げて53.03ドル。
原題:Oil Slumps to Lowest This Year as Traders Focus on Record Supply(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-銀行株が高い、石油・ガス株は下げる

  8日の欧州株式相場はほぼ変わらず。指標のストックス欧州600指数は前日まで4営業日続落だった。石油・ガス株と鉱業株が下げたが、銀行株は買われた。

  ストックス600指数は前日比0.1%高の372.58で終了。ユーロ参加国の国債利回りが総じて上昇したほか米民間雇用者数が予想を上回る伸びとなったことを受け、銀行株が値上がり。ドイツ銀行は5日ぶりに上昇した。一方、先週の米原油在庫が過去最高に達し、原油相場は1カ月ぶり安値まで下落。これがエネルギー関連銘柄への重しとなった。

  消費関連でも堅調な銘柄が目立った。ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスは9.4%上昇。2020年までの売上高と利益の見通しを上方修正したことが好感された。
原題:Europe Stocks Close Little Changed as Bank Gains Offset Oil Drop(抜粋)

◎欧州債:下落、米国債の下げに追随-独5年債入札で応札倍率が低下

  8日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて下落。米国債の下げに追随したほか、ドイツ5年債入札で応札倍率が前回入札を下回ったことで売りが強まった。

  寄り付きから軟調だったフランス国債も下げを加速し、同国債利回りは一時7bp上昇。アジア勢の売り観測が浮上。

  2月の米民間雇用者数が予想を上回る伸びとなったことを受け、ドイツ国債先物も下げ幅拡大
スペイン超長期債も売りを浴び、利回りは11bp近く上げた。イタリア国債を下回るパフォーマンスとなった。
原題:Euro-Area Bonds See Heavy Losses; End-of-Day EGB Curves, Spreads(抜粋)

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